国際情報

【アメリカ発】コロナ治療の本命は「トランプの薬」だった!?

トランプ大統領は一時、HCQを服用していた(AFP=時事)

 コロナ危機を克服する鍵を握るのが、ワクチン開発と並んで治療法の確立である。世界最多の感染者を出したアメリカでは、ひとつの論争が起きている。トランプ大統領が「特効薬だ」と宣伝し、自らも予防のためと服用していたマラリア治療薬「ヒドロキシクロロキン(HCQ)」に効果はあるのか、ないのか。サイバーセキュリティの専門家で科学者でもあるLeo Goldstein氏は、トランプ大統領のロシア疑惑を調査したロバート・モラー特別検察官の報告書を子細に分析した著書などが話題になっている著名な作家である。そのGoldstein氏は、コロナ治療の背景には親トランプvs反トランプの政治的対立があり、科学的な評価ができていないと指摘する。

 * * *
 コロナウイルス感染症の初期に、ヒドロキシクロロキン+抗生物質アジスロマイシン(HCQ+AZ)と、必要に応じて亜鉛を投与すると、顕著な効果が得られる。以下で述べるようにこれは事実であり、患者にとっても流行阻止に対しても有効な方法だ。

 患者の多くが早期にHCQベースの治療を受け、5~7日間隔離されれば(ウイルス量が安全なレベルに低下するまで)、感染者数は指数関数的に低下し、流行は終わる。すでに感染が広がっていた時期にこの治療法を採用したイタリアやスペインなどでも、そうした事象は確認された。

 しかし去る6月15日、FDA(アメリカ食品医薬品局)はHCQに対する緊急使用認可を取り消し、HCQ治療の有効性と安全性について疑いを広めるという、科学的に正しいとはいえない不誠実な発表をした。もともとこの緊急認可は、国家戦略備蓄のHCQの使用を病院のみに限定したが、ほとんどの患者は、この治療法を行うには遅すぎる進行した症状で入院している。つまり、HCQはこれまで、最悪の状態の入院患者に投与されてきたことになる。

 政治的もしくは経済的な目的を持つ関係者たちは、そうした不適切な症例を取り上げて、HCQは役に立たない、あるいは有害でさえあると主張したのである。メディアが報じるほとんどすべてのHCQ研究は、入院患者を対象に行われたものだ。医学誌『ランセット』は、根拠となるデータのない論文を掲載して後に撤回したが、そうしたHCQを否定する意見はアメリカ国民の印象に残った。

 実際には、逆に「Henry Ford Hospitals」の研究のように、HCQを入院患者に使用した場合でも死亡率は下がるとするものもある。

 しかし、メディアや巨大IT企業は「トランプの薬」に反対するキャンペーンを張り、病院や多くの医師にHCQを処方しないようにプレッシャーをかけてきた。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン