混乱は選手の進路にも影響が及ぶ。県立岐阜商には、1年春から試合に出場してきた佐々木泰という三塁手がいる。過去には星稜の奥川恭伸(現・ヤクルト)や創志学園の西純矢(現・阪神)と練習試合で対戦し、あわせて9打数9安打と大暴れ。
「プロ志望届を提出すれば指名されたはず」と鍛治舎巧監督も話す逸材だが、佐々木は東都大学野球の名門に進むことを決めた。その背景には、プロ各球団のドラフト戦略が読めないことがある。(文中敬称略)
●柳川悠二(ノンフィクションライター)
※週刊ポスト2020年8月14・21日号