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コロナ患者の87.4%に後遺症の研究結果、無症状でもリスクあり

関節痛を訴える人も少なくない

 感染の再拡大が続く新型コロナで怖ろしいのは、重症化だけではない。気づかないうちに感染して、「後遺症」のみが残るリスクがあるのだ。原因不明の疲労や呼吸困難が続いたら、その原因はもしかすると……。

 呼吸器系の症状は、新型コロナの代表的な後遺症だ。今年7月に発表されたイタリア・ジェメッリ大学病院などの研究では、退院患者143人を追跡調査した結果、回復から平均2か月の段階で、87.4%の患者に後遺症があった。

 中でも目立ったのは、疲労(53.1%)、呼吸困難(43.4%)、関節痛(27.3%)、胸痛(21.7%)といった症状で、ほかにも食欲不振やめまいといった症状が報告されている。4割以上の患者がQOL(生活の質)の悪化を訴えた。愛知医科大学病院感染症科の三鴨廣繁医師が指摘する。

「体内に侵入したウイルスは、肺にたまって炎症などの疾患を引き起こすため、新型コロナから回復後も呼吸困難や疲労感、胸痛などの諸症状が長く続くと考えられます。もともと気管支疾患など呼吸器の疾患を患った人ほど後遺症が長く続く傾向があります」

 実際、中国の孫文大学第五附属病院が退院30日後の患者を調べたところ、半数以上に肺拡散容量の低下、呼吸筋力の低下、肺画像異常が認められた。この中には、重症ではない患者も含まれていた。

「感染して症状が出なくても、呼吸系に炎症が残って肺などの細胞に異常が生じて呼吸器系の症状が出るケースや、神経系にダメージが蓄積して味覚障害や嗅覚障害が出る可能性があります。こうした後遺症がどれだけ続くかは、現時点ではっきりしたことが言えません」(三鴨医師)

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