島袋本人は、あくまでも東洋大戦の2連投が原因ではないと言い、「大学に行ったことは後悔もしていないし、未練もない」と語る。だが私は本人を含めた興南の45人のチームメイト全員、数多くの関係者への取材を通して、彼が少なくとも高校時代の当初はプロ志望であったことを知っている。その後翻意するわけだが、それは本当に彼の本心だったのか、まだ若い“原石”に対して周りの大人たちは本当に親身になってやれていただろうかと、考えれば考えるほどやるせない気持ちになる。
現在、島袋は母校・興南高校の事務員として働きながら、教職員免許の取得の準備をしている。近い将来、指導者として興南高校を率いて、聖地甲子園に戻ってくるため、彼は日夜教育現場の中で格闘している。