芸能

高田文夫「芸能なんて不要不急とぬかすバカも多いのだろう」

今こそ映画を観よう!(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。コロナ禍の国難に、クリエイティブな熱情を応援したい気持ちと、映画について湧き上がるあれこれについてお送りする。

 * * *
 本当に久しぶりに映画館へ行った。逆に言えば映画館ほど安心できるスペースはない。座席はとばしとばしだし、上映中はマスクで喋る人も勿論いない。換気も万全だ。“ポレポレ東中野”はいつも素晴しい作品を提供してくれる。「ヤクザと憲法」も「人生フルーツ」もここで教わった。

 今回は「なぜ君は総理大臣になれないのか」。大島渚の息子さんでもある大島新のドキュメンタリー監督作品。息苦しいほどの誠実さ、右も左も関係なく、与党も野党も関係ない。ただひたすら日本を良くしたい。愚直すぎる政治家の17年を追いつづけた監督もまたすごい。そしてこのコロナ禍で……。

「破壊の日」が公開されたばかりの豊田利晃監督に会った。私の作った「日本列島やり直し音頭」をリメイクして、この度「二〇二〇」バージョンで向井秀徳やら小泉今日子らに声を掛け、皆で歌ってくれた。それをプロデュースしてくれたのもこの監督。「破壊の日」も最初は東京五輪にぶつけて作っていたものが、このコロナで撮影もストップ。また撮り直し、内容も変容していき疫病と闘う話へ。「よく分からなかった」など言う奴もいようが、この国難の中でも作らずにいられないというクリエイティブな熱情を応援したい。そもそも芸術・芸能なんて不要不急だなぞぬかしてるバカも多いのだろう。心が貧しすぎるんだな。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
ゆずりあい、ぶつからないように配慮するつもりがまったくない「どかないおじさん」がいる(イメージ、時事通信フォト)
新社会人が戸惑う「どかない系おじさん」 大柄な男性には場所をゆずり、女性が接触すると怒鳴り散らす
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン