私は出版社の息子として生まれ(父は主に日本の近代史の本を沢山出版していた。図書館へ行くとズラリ揃っていたりする)、親戚もみんな出版社をやっていて、その内の一人、おじさんに当たるのが『映画評論』の発行人だった高田俊郎。昭和30~40年代、映画青年達はみんな読んでいた。若き日の大島渚特集などよくやっていた。若きライターだったのが長部日出雄、小林信彦ら。
そのライバル誌だったのが『キネマ旬報』。こちらはまだ発行されつづけている。本屋をのぞくと七月下旬号で嬉しい特集。「2000年代(2000~2009年)日本映画ベスト・テン」。アンケートで、もの凄い数の本数がとりあげられているのだが、貴方は何本挙げられますか。私が勝手に選んだ(というか見た)ベスト10。敬愛するすべての映画人へ。
【1】「顔」藤山直美の名人芸
【2】「パッチギ!」
【3】「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」
【4】「GO」「ピンポン」
【6】「血と骨」
【7】「赤目四十八瀧心中未遂」
【8】「雨あがる」
【9】「ヨコハマメリー」
【10】「花と蛇」
……どんなラインナップ?
※週刊ポスト2020年8月14・21日号