国内

総理の体調悪化による政権交代は過去4回 後継政権の安定度は

13年前は突然の退陣表明を謝罪した(時事通信フォト)

 安倍晋三・首相(65)は8月17日に慶応病院で検診を受け、当日のうちに退院した。首相の体調悪化説に火をつけたのは8月4日発売の写真週刊誌『FLASH』の“吐血”報道だった。7月6日の首相動静に5時間の空白があり、永田町ではこの間に吐血したのではないかという情報がめぐっているという内容だ。

 安倍首相は19日に官邸で記者団の取材に応じ、「体調管理に万全を期すために、先般検査を受けた。これから再び仕事に復帰してがんばっていきたい」とカメラ目線でそう語った。意地っ張りな性格の首相は、側近の萩生田光一・文部科学相や甘利明氏らが「もっと休養をとってほしい」と言うほど、意固地になる。

 しかし、いくら官邸に入っても、国会を開き、記者会見にも応じて政府がコロナの感染第2波にどう対応しようとしているのか、国民の不安に正面から答えないのであれば総理としての責任を果たすことにはならない。それができないほど体調が悪いのであれば、総理の任を一時余人に委ねてでも、静養して体調を万全に整えるのが政治家の責任だろう。

 この総理は自分が静養を拒否するほど、党内で権力闘争が激化し、政権が“死に体”に向かうことに気づいていない。コロナ対策に全力を投入する気力と体力がないのなら、国民は安倍首相に早く交代してもらったほうがいい。

 だからといって、後継首相が誰でもいいわけではない。麻生太郎・副総理が期待する安倍首相からの政権禅譲にしても、二階俊博・幹事長らの話し合いによる菅義偉・官房長官の後継にしても、いずれも次の総理選びのプロセスが国民には見えない「密室」で決められる。

 ここで思い出されるのが、2000年4月、時の小渕恵三・首相が脳梗塞で倒れて搬送された翌日にホテルニューオータニで開かれた、いわゆる「五人組の密議」だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン