光秀終生のライバル・秀吉(佐々木蔵之介)の露出が増える

 そして第21回「決戦!桶狭間」では、桶狭間の戦いにおける織田信長・今川義元・徳川家康の動向がそれぞれ描かれた。急ぎ尾張に向かった光秀が、戦に勝利して凱旋する信長を道で待ち受け、今後の展望について問答を交わすところで終わった。

新発見の史料をどう取り入れるか

 物語は中盤の「越前編」に入ったばかり。第22回以降に消え去る人物もいれば、露出の増える人物や新たな登場人物もいる。

 消え去る人物のなかで特に重要なのは、松永久秀の主君・三好長慶(山路和弘)と13代将軍の足利義輝(向井理)である。三好長慶はこれまで出番が少なく、セリフもほとんどなかった。1564年に病死する場面も描かれないかもしれないが、京周辺の最高実力者である彼の死が、多方面に影響を与えないはずはない。三好一族と足利義輝の関係は急速に悪化し、翌年には義輝殺害という大事件が出来する。

 露出の増える人物の筆頭は藤吉郎(佐々木蔵之介)こと、のちの羽柴秀吉で、光秀が信長の家臣になってから「本能寺の変」前夜までの間、最大のライバルであり続ける。医師・望月東庵(堺正章)の助手・駒(門脇麦)を巡る光秀と藤吉郎、松平家密偵の菊丸(岡村隆史)との三角関係ならぬ四角関係がどうなるかもそうだが、駒が駿府の芳仁(ベンガル)という老人から製法を伝授された丸薬が、どこでどう役立つかも注目したい。番組公式サイトには、その丸薬が駒の運命を変えることになるとあるから、光秀の運命をも左右する可能性がある。

 新たな登場人物では、関白の近衛前久(本郷奏多)と義輝の弟で、出家して奈良興福寺の一条院門跡を務めていた覚慶(滝藤賢一)が大事な役回りである。

 近衛前久は類稀なる行動力で、みずから政治に介入すれば、京の外へも頻繁に赴く。当時としては変わり種の貴族で、幼いとき、近衛家に拾われた過去を持つ旅芸人一座の座長・伊呂波太夫(尾野真千子)と姉弟のように育った設定になっている。伊呂波太夫は裏の仕事がむしろ本業のような謎多き人物。近衛前久も彼女を通して何かと暗躍するものと推測される。

向井理演じる13代将軍・足利義輝の最期に要注目

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