「日本では繁殖されておらず、輸入に依存しています。主な原産国は中国、カンボジアなど。製薬会社が動物試験を委託する会社があり、そこが輸入されたサルを購入、飼育しています。現在のサル不足には、最大の供給国・中国が輸出を絞っているという側面がある。中国国内で創薬などの科学研究が盛んになり、サルの自国消費が増えたことが理由のようです」(同前)

 新型コロナ治療薬として承認されたレムデシビルは、承認前、米国でアカゲザルを用いた実験が行なわれていた。日本でも、滋賀医科大学がカニクイザルで新型コロナ感染症を再現する実験に成功した。

 人類と新型コロナの戦いに欠かせない試験用サル。ここでも深刻な米中対立が噴き上がっている。

※週刊ポスト2020年9月11日号

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