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コロナ新薬開発現場で異変 試験用のサルが不足で争奪戦に

サルの争奪戦に

 新型コロナウイルス特効薬が待たれる中、新薬開発の現場で、ある異変が起きている。試験用のサルが不足しているのだ。業界紙記者が語る。

「最先端のがん治療薬など複雑な薬、感染症治療薬・ワクチンは、臨床試験前にヒトと同じ霊長類であるサルでの試験が必要です。近年はバイオベンチャーの参入が相次いでおり、試験用サルの需要が高まる半面、供給が追いついていません」

 そもそも、どんなサルが、どのような実験に使われているのか。

「小型で扱いやすく繁殖させやすいなどの理由からアカゲザルやカニクイザルが使われます。この2種は100年近く前から使われており、過去の試験データと比較しやすいメリットがあります」(同前)

 他にも動物試験にはマウスやウサギ、ブタなどが使われるが、がん治療薬などヒトの生体分子にピンポイントで作用する薬剤の効能・安全性を確かめるには、ヒトに近いサルでなければ十分なデータが得られないという。試験用サルは「1匹あたり30万~50万円で取引される」(日本実験動物協会広報)というが、どんな調達ルートがあるのか。

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