スポーツ

競馬新聞 ひとつだけ◎がつく「ポツンと二重丸」の誘惑

時々ある「1人だけ本命」をどう読み解くべきか

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない夢の馬券生活。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家で、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、競馬新聞の予想にある本命「◎」が、ポツンと存在している時の魅力について考察する。

 * * *
 ネット投票を長く強いられると珍談も生まれる。服装に気を使わずに済むから、剣道四段の友人Aは独自の勝負服でパソコンに臨む。剣道のメンの着用である(アホか!)。レース毎に「キエーッ!」と奇声があがる。Tシャツにトランクスでメンだけをかぶる様は異常で、呆れ果てたカミさんは夕方までショッピングモールに避難するという。竹刀を振り回さないだけマシだが、今後も同じ状況が続くとどうなるかは分からない。

 でもまあ、気合は必要だ。自分の◎(本命)を決める。◎は気合の印なのだった。

 予想紙の印でも、まずは◎に目が行く。◎が連なる人気馬も注目だが、ひとつだけ◎が付いている「ポツン二重丸」に気合が漲ってみえる。予習段階でポツンを見つけたら気にとめておき、パドック・返し馬を見て「ほう」と思えばヒモに絡めたりする。孤高の二重丸とも言うらしいが、ポツンの語感がいい。

 このポツン、散見するように思えるが、そうは出てこない。専門誌編集者の友人によればその定義は「◎のほかに△や▲が1つでも付いていたらダメ」。厳しい認定基準なのだ。

 ある日曜競馬、3歳以上1勝クラス、ダート1200メートル。ポツンを見つけた。なぜか「おっ!」と声が出てしまう。

 6歳牝、13番人気(15頭)、単勝オッズ67.6倍。一言コメントは「前崩条件」である。この日の全24R中、唯一のポツン二重丸。もう一紙を見てみると無印だった。かなりのポツン度である。

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン