最大の火種が6400億円ともいわれる東京五輪の追加費用問題だ。政治ジャーナリスト・角谷浩一氏が指摘する。
「追加費用を国と都がどう分担するかは決まっていません。菅さんは安倍首相と違ってどこまで五輪に興味があるか疑問。仮に五輪中止や無観客試合という事態になり“追加費用は招致した東京都が持つべき”などと言い出せば、小池都知事は黙っていないでしょう」
国も東京都もコロナ対策の費用で財政は火の車。どちらも退けない戦いだ。
これまでの「官房長官」対「都知事」の戦いでは小池氏が一本取る場面が多かったものの、今後、「総理」対「都知事」の戦いとなれば権力格差が大きく、小池氏の分が悪くなる。だが、小池氏には“秘策”があると前出・角谷氏が指摘する。
「小池氏の政治手法は敵を作り、それを討ち取るパターンの劇場型。菅さんを格好の敵役と考えているのではないでしょうか。一方の菅氏は1年以内に行なわれる総選挙が正念場となる。そこで小池氏が石破氏ら自民党の“反・菅勢力”と野党の非合流組(旧・希望の党)を集めて新政党を旗揚げし、菅政権を追い込んでいく。そんな仰天プランも想定されます」
「百合の一刺し」となるか。
※週刊ポスト2020年9月18・25日号