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懐かしの「夏休みの友」 昭和30年代の内容を振り返る

プールに行きたくなる昭和37(1962)年の『なつやすみ 2ねん』(提供/富澤瑞夫氏)

 昭和37(1962)年の『なつやすみ 2ねん』(信濃教育会編)。その冒頭「みずあそび」のページでは「すいえいには うちの 人に はなしてから いきましょう。すいえいを する ときの ちゅういを かきましょう」という記述がある。それに続く空欄に、富澤氏の直筆でこう書き込みがある。

じてんしゃにのっていかない。/五、六ねんの人といく。/プールの中へおしっこをしない。/人をおしたりしない。/はなじるはみぞながす/はいるまえにたいそうをする/行った人といっしょにかえる(原文ママ)

 前出の山梨県の『なつやすみのとも』と同様、日記やスケジュール、国語や算数の課題があるといった基本的な内容は変わらないが、海のない長野県の夏休み学習帳は、日記やスケジュールよりも先に水泳のページがあるのが特徴的だった。夏休み学習帳にはこうした地域差が随所にあらわれている。

 前出・親野氏は、かつての「夏休みの友」はバラエティに富んでいたと自身の経験から述べる。

「私が教員だった1970年代~1990年代の静岡県の小学校では、自由に体験したことを書き込む課題もありました。『磯遊び』『山歩き』などの項目から自由に選ばせる取り組みもありました。子どもに自主的に選んでもらう課題が多かったですね」

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