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懐かしの「夏休みの友」 昭和30年代の内容を振り返る

泳ぎ方やプールでの常識を確認する欠き込み式の内容(提供/富澤瑞夫氏)

 昭和文化に詳しい庶民文化研究家・町田忍氏は、前述の『なつやすみ』世代でもある。当時の子どもたちの夏休みの過ごし方を述懐する。

「私は昭和25(1950)年に東京・目黒で生まれましたが、あの頃は都内でも自然がいっぱいで、近所で昆虫採集をしたり、学校のプールに通ったりしているばかりの毎日でした。毎朝、ラジオ体操にも通ったりして忙しかった気がしますね。当時は個人情報にうるさくなく、先生の住所が『夏休みの友』に書かれていたので暑中見舞いを送るなど、楽しかった思い出ばかりです」

 現在も夏休みの学習帳は存在しているが、その内容は以前よりも国語や算数などの教科学習に重きが置かれている。ドリルや問題集のようなものに近い印象だ。

「昭和の終わりから平成にかけて小学生だった私の息子たちの夏休みは、塾の夏期講習ばかり詰め込まれていた。それでも私は、息子たちには二宮金次郎の史跡巡りや狛犬巡りを自由研究のテーマにさせていたけど、私の時代と比べてみて、かわいそうな夏休みでしたね。当面はコロナ禍で難しいでしょうけれど、時代の変化で失われつつある“ぬくもり”とか“ふれあい”みたいなものがもっとあったほうがいいのではないでしょうか」(町田氏)

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