そこで隅田教授のチームは、唾液による糖鎖ナノ粒子法をさらに進化させ、新型コロナとインフルエンザを同時にPCR検査できる迅速診断キットの開発を進めているという。
「すでに性能試験(いわゆる治験)も終えて今シーズンから医療機関で検査が可能になることを目指しています。これからインフルエンザシーズンが始まりますが、もし発熱があった場合、それがインフルエンザか新型コロナか分からないことが多く発生すると思われます。現在、多検体に対応可能な、安価で高速、高感度の、新型コロナとインフルエンザを同時に測定できるPCR診断装置も開発中で、唾液を用いた検体採取・検査診断・診療のトータルシステムを早期に確立して今秋からのインフルエンザシーズンと新型コロナの第3波に間に合わせたいと考えています」(隅田教授)
検査法の進化とともに、ワクチンの開発も進んでいる。人類の叡智で、このウイルスを克服することはできるだろうか。