ビジネス

マンションの「管理会社変更」を叫ぶモンスター住民に要注意

マンション管理スタッフの人手不足と高齢化が年々深刻に

マンション管理スタッフの人手不足と高齢化が年々深刻に

 今年はコロナ禍で在宅時間が増えたという人が大半だろうが、ライフスタイルの劇的な変化によって、日々の暮らしに大きな歪みも生じている。

 都内で築20年弱の分譲マンションに住んでいるT氏(52歳)がこう憤る。

「皆が自粛して自宅にいるようになって以降、住民の生活ゴミが一気に増えてゴミ置き場がいつも溢れ返っています。また、共用部分のあちこちにもゴミが落ちていて、床の汚れが目立つようになりました。

 本当なら通常の清掃に加え、エレベーターや廊下などコロナ対策の消毒も念入りに行ってもらいたいところですが、管理会社から派遣されている管理人さんや清掃員さんも“テレワーク推し”なのか、土日のほか平日も週に1、2日休むようになってしまいました。高齢で激務なのは分かりますが、高い管理費を払っているんだから、それなりの仕事はしてもらわないと……」

 このマンションでは、そうした不十分な清掃や手抜き管理に腹を立てた別の住民が管理員室に押しかけ注意したところ、その対応が悪かったことから話は余計にこじれた。そして、ついには「もっと管理費が安くてサービスのいい管理会社に変更したらどうか」と理事会の議案に上げる事態にまで発展しているという。

マンション市場に押し寄せる“第三の老い”

 じつは今、マンションの管理会社を変更する「リプレイス」は増える傾向にある。国土交通省の『平成30年度マンション総合調査』によれば、実際に管理会社を変更したマンションは、平成25年の18.3%から平成30年は20.9%と増えている。

 個人向け不動産コンサルティングやマンション管理組合向けコンサルティングを行う株式会社さくら事務所の土屋輝之氏(マンション管理コンサルタント)がいう。

「いまマンション市場は増え続けるストックに対して、『所有者・居住者の高齢化』と『建物・設備の老朽化』という2つの“老い”に加え、『スタッフの慢性的な人手不足と高齢化』という第三の老いが年々深刻化しています。

 特に管理業界の人手不足は加速する一方で、定年延長や再雇用が進み、従来、管理員や清掃員を担ってきた年代の方が大きく不足しています。そこにきて、折からのコロナ禍で在宅時間が増えたこともあり、普段は気にならない管理会社の対応や管理コストに厳しい目を向ける人が増えているのです」

 土屋氏によると、これまでも管理員・清掃・設備点検・日常修繕・組合会計などに対して失態を見つけては管理会社に委託費の減額や返金などを強硬に求める“モンスター(クレーマー)住民”は存在したが、コロナでさらに強大化しているというのだ。

関連記事

トピックス

今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・イメージ 写真はいずれも当該の店舗、販売されている味噌汁ではありません)
《「すき家」ネズミ混入味噌汁その後》「また同じようなトラブルが起きるのでは…」と現役クルーが懸念する理由 広報担当者は「売上は前年を上回る水準で推移」と回答
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン