ライフ

病院代 通院回数で負担額は変わる「月2回」は病院が大儲け

通院費・入院費等を損しないため、注目すべきポイントは?(イメージ)

 同じ病気でも、“病院のかかり方”で払うお金は変わる──その仕組みを知らないと、多額のムダな医療費を負担することになる。長い人生で大損しないための情報を網羅した『週刊ポストGOLD 得する医療費』から、賢い患者となるための必須知識を紹介していく。

大病院に「紹介状なし」で行くと負担激増

「急な腹痛に襲われ、近所のかかりつけの診療所ではなく、精密検査をしてもらいに大学病院に行ったらびっくりするような金額で……」

 そう嘆くのは、都内に住む60代男性だ。実は大病院に行く際は、「紹介状の有無」で医療費が大きく変わる。医療経済ジャーナリスト・室井一辰氏が解説する。

「紹介状なしで200床以上の大病院に行くと、初診で5000円以上、再診でも2500円以上の『選定療養費』を徴収されます。紹介状を持たない患者には大きな負担があるのです」

 選定療養費は保険が適用されず、全額自費となる。かかりつけ医から紹介状をもらっておくことが、非常に重要なのだ。このように、患者に「ムダな医療費」を払わせるカラクリは数多い。

通院が「月2回」だと病院が大儲け

 特別料金のかからない診療所でも、注意したいポイントがある。生活習慣病治療などでの通院の頻度だ。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広氏はこういう。

「本来、症状の安定した高血圧患者は月に1度の診療でも多いくらいですが、開業医のなかには、2週間に一度、通院させているケースが多い」

 高血圧や糖尿病といった生活習慣病では、医師が患者への生活指導に対する報酬として「特定疾患療養管理料」を上乗せできる。診療所の場合は2250円(3割負担で680円)となる。

 この管理料が「月2回」まで算定できるのだ。月に2回診療を受けると、月1回に比べて管理料だけで年間約8000円(3割負担)も余分に医療費を払うことになる。前出・上氏が続ける。

「患者のなかには『頻繁に診察を受けて安心したい』という気持ちが強い方が少なくない。そうした不安を医師の側が利用し、必要以上の通院を求めている場合もあるかもしれません」

※週刊ポスト2020年10月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
結婚を発表したPerfumeの“あ~ちゃん”こと西脇綾香(時事通信フォト)
「夫婦別姓を日本でも取り入れて」 Perfume・あ〜ちゃん、ポーター創業の“吉田家”入りでファンが思い返した過去発言
NEWSポストセブン
村上宗隆の移籍先はどこになるのか
メジャー移籍表明ヤクルト・村上宗隆、有力候補はメッツ、レッドソックス、マリナーズでも「大穴・ドジャース」の噂が消えない理由
週刊ポスト
(写真右/Getty Images、左・撮影/横田紋子)
高市早苗首相が異例の“買春行為の罰則化の検討”に言及 世界では“買う側”に罰則を科すのが先進国のスタンダード 日本の法律が抱える構造的な矛盾 
女性セブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン