ビジネス

PS5の「転売ヤー対策」がほとんど意味をなさない理由

11月12日に発売されるソニー「PlayStation5」(AFP PHOTO/SONY INTERACTIVE  ENTERTAINMENT INC)

11月12日に発売されるソニー「PlayStation5」(AFP PHOTO/SONY INTERACTIVE ENTERTAINMENT INC)

 9月18日より予約販売の受け付けが始まったソニーの次世代ゲーム機「PlayStation 5(プレイステーション5)。だが、先着順で予約できるECサイトでは定価の数倍もの価格で転売する“転売ヤー”が現れるなど、早くも争奪戦が過熱している。果たして有効な防止策はないのか──。エース経済研究所シニアアナリストの安田秀樹氏がレポートする。

 * * *
 9月17日午前5時からの動画配信でPS5の価格と発売日が発表された。価格は通常版が4万9980円、ディスクレスのデジタルエディションが3万9980円である。

 エース経済研究所では、以前から通常版を4万9980円と予想していたので、サプライズはないが、ネット上の反響は「思ったよりも安い」といったものが多かった。PS5のアピールポイントが「高性能」で、そうであれば必然的にコストも高くなるため、このような反応になったのであろう。

 PS5の発売は11月12日、予約は9月18日から順次開始されている。報道でご存じの方も多いだろうが、PS5は予約販売開始後、アマゾンのマーケットプレイスで40万円という超高額で販売される(購入者に届くのは11月12日以降)事態となっている。

 まずは、購入をお考えの読者の皆様には、慌てないで欲しいと申し上げたい。

 ソニーは発売前から増産に努めており、必要に応じて多額のコストをかけて空輸を実施する可能性も示唆している。巨大なゲーム機であるPS5を船便ではなく、飛行機で輸送するには多額のコストがかかるが、それだけのコストをかけてでもいち早くユーザーに届けたいという強い意志があるようだ。

 また、ゲーム事業のCEOであるジムライアン氏はPS4以上の出荷を行うとコメントしており、PS4の初年度の10~12月の売上台数である450万台以上のPS5が年末までに店頭に届くはずである。

 今は需要が強いように見えるが、国内ではそれほど大きくないと考えている。なぜなら、国内の29歳以下のテレビ普及率は2010年代に入ってから顕著に下がっており、もはやテレビに繋げる据え置きゲーム機は残念ながら陳腐化しているのである。

 しかも、PS5は過去のゲーム機を見ても、最大級のサイズである。居住スペースに制約がある日本にマッチしているようには思えない。供給、需要面を見ても、少なくとも国内では早急に供給が需要にミートするだろうと、エース経済研究所では考えている。

関連記事

トピックス

12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
悠仁さまが2026年1月2日に皇居で行われる「新年一般参賀」に出席される見通し(写真/JMPA)
悠仁さまが新年一般参賀にご出席の見通し、愛子さまと初めて並び立たれる場に 来春にはUAE大統領来日時の晩餐会で“外交デビュー”の可能性も、ご活躍の場は増すばかり
女性セブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情
(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト