ビジネス

やってる感出していただけの安倍政権 コロナで負の遺産噴出

安倍政権が遺したものをどう見る?(イラスト/井川泰年)

安倍政権が遺したものをどう見る?(イラスト/井川泰年)

 7年あまり続いた安倍政権はいかなる「負の遺産」を残したのだろうか──。安倍政権発足時から一貫してその政策を批判してきた、経営コンサルタントの大前研一氏が指摘する。

 * * *
 安倍晋三前首相の辞任表明後、報道各社の世論調査で安倍内閣の支持率が軒並み急上昇するという不思議な現象が起きた。長期政権への慰労なのか? 難病・潰瘍性大腸炎への同情なのか? はたまた、いわゆる“同調圧力”なのか?

 最近『同調圧力』(鴻上尚史・佐藤直樹著/講談社現代新書)という本が話題だが、今は安倍前首相を批判するのはおかしいと決めつけるような風潮=同調圧力もある。しかし、私は安倍政権発足時から一貫して安倍首相の政策を批判してきた。通算8年8か月の歴代最長政権が終わった今、安倍政治の問題点と、今後それが引き起こす後遺症をきちんと検証する必要がある。

 安倍政権が残した「負の遺産」のうちの一つは、これまでも指摘したアベノミクスの失敗だ。アベノミクスの成果は400万人超の雇用創出と歴史的な低失業率、株高、景気拡大などと言われているが、雇用の増加と低失業率は団塊の世代が大量リタイアした後の人手不足と非正規雇用の拡大によるもので、正規の日本型安定雇用が大きく増えたわけではない。

 また、株高は日本銀行やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による「PKO(買い支え)」と、安倍前首相と黒田東彦日銀総裁のアベクロバズーカで国債を乱発する一方で、日銀が金融機関や生命保険会社などが保有していた国債を450兆円も買い上げ、そのカネが株に回っていたからだ。

 そして景気回復も「異次元の金融緩和」を続けて市場にカネをジャブジャブと供給する事実上のMMT(*現代貨幣理論。ある条件下で政府は国債をいくらでも発行してよいという考え方)政策による見せかけであり、実際、景気拡大局面が5年11か月続いたといっても、それはほとんど横ばいの地を這うような「ミミズ景気」でしかなかった。

関連記事

トピックス

10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン