米国では車中放置は“ネグレクト”
車の中に置いて行かれた子どもの心細さを思えば、車中に置き去りにするのは育児放棄に近いものがあると私は考えています。放置する親は、最初は「ちょっとだけ」のつもりだったのが、大丈夫だとわかると次第に長時間に延びてしまうのかもしれません。けれど真夏や真冬に車内に長時間放置し子どもの命を危険に晒すようなことは、あってはならないことです。
アメリカでは車中に子どもを置き去りにするとネグレクト(育児放棄)や虐待とみなされ、逮捕されるケースもあります。わずか5分でも認められず、罰金が科される州もあるのです。
それに対し、日本では子どもの車中置き去りに対する罰則はありません。厳罰化が進めば「法律違反なのだ」「逮捕されるかも」という認識が広まり、周囲も注意をしやすくなるのではないでしょうか。
車内の生体反応センサーの開発
前述した高松の事件では、車の中が見えないようにとサンシェードで隠していたのだとか。せめて窓から中が覗けていれば、ぐったりしている女の子たちを誰かが見つけることができたかもしれなかったのにと思うと残念でなりません。
隠す親がいるのであれば、救う側はそれを見破る必要があります。車中の生体反応を感知するセンサーの開発も進んでいるそうです。たとえば駐車場の管理人や警察がそのセンサーからのアラートをキャッチできれば、早期の救出も可能なのではないでしょうか。
駐車場に保育施設の併設を
また、子どもが車内に放置される理由は、パチンコや買い物、そして飲み会などの時が多いようです。私自身も子どもを預け、お世話になっている人の出版パーティーに向かったことがありますが、シッター代は高額なうえに子ども2人だと料金は倍増するため、1万円を軽く超えました。もしかしたら託児費用が払えないため、車中放置する人もいるのではないでしょうか。
だとしたら車中放置する親が多い場所に、無料もしくは格安の託児所の設置を増やすのはどうでしょうか。実際、保育室のあるショッピングセンターはいくつもありますし、無料託児所があるパチンコ店もわずかですがあるようです。保育所の設置は難しくても、駐車場に「車中置き去り禁止」などの注意喚起を貼り出すだけでも歯止めになるかもしれません。