そして1994年、竹内さんが14才のときに母親はがんでこの世を去った。
「両親が厳しく育ててきたから、姉妹はみんな芯の強い子に育ちました。お母さんはよく子供たちに“泣いても状況は変わらないのよ”と諭していましたからね。いちばん小さな結子ちゃんは、内心はつらかっただろうけど、お母さんが亡くなったときもじっと耐えて、気丈な姿を見せていました」(前出・竹内家の知人)
最愛の母が亡くなり、思春期を迎えた竹内さんの心は空っぽになったはずだ。だが母の死の翌年、彼女に転機が訪れた。スカウトされての芸能界入りだ。当時、学校帰りに制服のままオーディションに向かっていた頃の心境を、彼女は雑誌のインタビューでこう振り返っている。
《自分が必要とされることがただうれしかった》
寂しさを押し切って、芸能活動に励む竹内さんに思いがけない連絡が入ったのはこの頃だった。母親と死別した翌年、父親が再婚したのだ。
「再婚相手には男の子3人の連れ子がいました。竹内家にも3姉妹がいたので、結子ちゃんは6人きょうだいになった。前年にお母さんを亡くしたばかりの結子ちゃんにとっては、急な環境の変化に息が詰まるような思いもあったようです。父親にも甘えられず、彼女はあまり家に帰ることもなく、ますますおばあちゃんの家に寄りつくようになりました」(前出・竹内家の知人)
竹内さんは父の再婚後の家族についてあまり語ることはなかったが、ある本でこう胸中を明かしていた。1999年発売の小説『サーフ・スプラッシュ』(桜井亜美著・幻冬舎文庫)の「解説」だ。