『宇宙でいちばんあかるい屋根』の舞台挨拶に登場した清原果耶とリモート出演した桃井かおり

 過去にも清原は、『3月のライオン 前編/後編』(2017年)で錚々たる俳優陣の顔ぶれのなか、中学生ながらヒロインを務めているし、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016年)では小松菜奈(24才)の、『ユリゴコロ』(2017年)では吉高由里子(32才)の、それぞれのヒロインの幼い頃を演じている。小松や吉高の現在の活躍から察するに、作り手たちが清原の高いポテンシャルを感じていたことがうかがえる。

 “星ばあ”を演じた桃井は清原について、「ものすごい孤独な女優さん。すごく真面目で、自分が何をやるべきなのか、本気で見えている。自分が『邪魔しちゃいけない』って初めて思った。冗談抜きに、私が付いていった。完成した映画を観て、彼女がすごく良かった」と語っている。大先輩からのバトンを受け取った清原は、立派に撮影を先導する働きまで見せていたようだ。

 今後も、清原が主要な役どころを担う映画が続々と公開される予定だが、日本映画界の将来を背負っていくであろう彼女の初主演映画は、やはり絶対にスクリーンで見逃してはならないと思う。本作を見れば観れば、彼女がこれからの映画界を託された存在であることが分かるはずである。

【折田侑駿】
文筆家。1990年生まれ。映画や演劇、俳優、文学、服飾、酒場など幅広くカバーし、映画の劇場パンフレットに多数寄稿のほか、映画トーク番組「活弁シネマ倶楽部」ではMCを務めている。

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