また、介護は自分の人生を考えるよいきっかけになるとも北村さんは言う。
「中年の子供世代は親が老いていく姿を間近に見て、自分もやがてこうなると切実に感じます。この後の人生を意味あるものにするか、絶望に至るか、介護経験はどちらの要素も含んでいる。自分の人生に親の介護をどう位置づけるか、考え時でもあります。
介護とのつきあい方に正解がないからこそ、介護はこれからの生き方を見直すきっかけになると思います」
【プロフィール】
北村世都さん/聖徳大学 心理・福祉学部心理学科准教授。公認心理師。もの忘れ外来や認知症家族相談などの心理臨床活動を経て、行政の認知症家族支援の企画立案や相談業務にも従事。専門は老年臨床心理学。
※女性セブン2020年10月15日号