国内

保守系長老合流の立憲民主 小泉純一郎氏を首相候補に担ぐ策も

まさかの再登板もありうるのか(2005年撮影、時事通信フォト)

まさかの再登板もありうるのか(2005年。時事通信フォト)

 菅政権の高支持率に乗って、解散風を煽る与党。その一方で、再スタートした野党第一党・立憲民主党への期待感はあまりにも低い。

 そんななか、この立憲民主には、当選17回の小沢一郎氏と当選14回の中村喜四郎氏という保守系の長老たちが加わった。田中角栄元首相に選挙術を叩き込まれた2人には、「選挙に滅法強い」という共通点がある。

 だが、立憲にとって総選挙勝利の一番の弱点は、枝野幸男代表の支持に限界があることだ。元民主党代議士で政治評論家の木下厚氏が語る。

「選挙では政党の顔が重要になる。枝野は立憲の旗揚げ当時は一定の支持を得たが、もうピークを超えている。せっかく野党が新党をつくったのに、代表は枝野、党名も立憲民主のままでは何の目新しさもない。総選挙の前に顔を変えるのは有効な手段でしょう」

 だからといって代表選が終わったばかりで党首を交代させるのは難しい。そこで出てくるのが自民党で「総総分離」と呼ばれる、総理と総裁(党首)を分ける方法だ。代表は枝野氏のまま、別の人物を総理候補に担ぐ。

 小沢氏はこれまでも他党の党首だった細川護煕氏を首相に擁立し、自民党から海部俊樹・元総理を引き抜いて首相指名選挙に担いだこともある。

「原発ゼロで小沢氏と共闘を組む小泉純一郎氏を首相候補に担ぐ。小泉さんなら喜四郎氏もパイプもある」(立憲議員)

 喜四郎氏は自民党時代、小泉氏・山崎拓氏らYKKトリオと組んで小沢批判を展開し、“N―YKK”と呼ばれたこともある。現在も、小泉、山崎両氏と宴席を囲む関係だ。

“枝野監督”では優勝は難しいから、“小泉名誉監督”を前面に立てて戦うという戦略は、立憲民主を激震させ、崩壊させかねない超劇薬だろう。裏を返せば、そんなことまで仕掛けなければ勝負にならないほど、この野党は実績も戦略も人材もないダメダメ政党ということなのだが。

※週刊ポスト2020年10月16・23日号

小沢氏にも野党再編の期待が寄せられる(写真/共同通信社)

小沢氏にも野党再編の期待が寄せられる(写真/共同通信社)

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト