国内

菅首相の「学者ぎらい」 原点は5年前安保国会での赤っ恥か

菅義偉・首相が学者たちに強硬姿勢をとった背景とは

菅義偉・首相が学者たちに強硬姿勢をとった背景とは

 現代の焚書坑儒、あるいは“令和の文化大革命”の始まりを告げる狼煙だ。

“私に逆らう学者は任命しない”。菅義偉・首相は日本学術会議の新会員候補6人の「任命拒否」でそうした姿勢を鮮明にした。杉田和博・官房副長官が事前に6人を削る“紅衛兵”として関与したことが明らかになっている。

 学者側から激しい批判が上がり、日本学術会議が首相に「任命拒否」の理由を説明するように要求すると、政権側はそれに強烈な一撃を見舞った。河野太郎・行革相が、「日本学術会議の予算や機構、定員について例外なく見ていく」と行革の対象に名指しし、“組織解体”をちらつかせたのだ。

 日本学術会議は内閣総理大臣所管の国の「特別機関」だが、政府から独立して科学に関する重要事項を審議し、「学者の国会」とも呼ばれる。同会議のホームページによると〈我が国の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約87万人の科学者を内外に代表する機関であり、210人の会員と約2000人の連携会員によって職務が担われています〉とされている。

 なぜ、菅氏はその“象牙の塔の総本山”に喧嘩を売ったのか。菅氏は官房長官時代に2回、学者に“煮え湯”を飲まされた経験がある。

 安倍政権が憲法解釈を変更した安保国会(2015年)では、200人以上の憲法学者が安保法案は違憲だと反対運動を展開、菅氏は「合憲だとする憲法学者はたくさんいる」と説明したが、国会答弁で名前を挙げることができたのは3人だけで大恥をかいた。今回、菅氏が任命拒否した6人にはこのときの「安保法に反対する学者の会」の発起人の憲法学者が含まれる。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン