国内

実際に人と会うことが、うつ病予防に SNSで孤独感促進も

三浦春馬さん訃報の衝撃や悲しみは未だに続いている(時事通信フォト)

 世間に大きな衝撃を与えた、相次ぐ芸能人の自殺。死を選んだときに本人が何を思っていたのかはそれぞれだろうが、多くの人が最大の要因とみなすもの──それは「孤独」だ。精神科医の樺沢紫苑さんが解説する。

「過疎地でひとり暮らしをするような物理的な孤独だけでなく、心理的な孤独も大きなファクターです。たとえ家族と一緒に住んでいても、交流がなく、愛されていると思えなければ孤独です。

 芸能人の自殺も“心の孤独”が一因になっている。有名になったりお金持ちになったりして社会的な地位が上がると、本心を打ち明けて相談できる人が少なくなります。誰にも本音を話せないことも、心理的な孤独感が増すのです」(樺沢さん)

 SNSが普及した現在は、誰もがせっせと他人とコミュニケーションを取っているように見える。しかしSNSには、自殺を食い止めるほど孤独を癒す力はない。

「ある研究によると、実際に人と会う機会が多いとうつ病を予防できた一方、SNSのコミュニケーションでうつ病を予防する効果は確認できませんでした。SNSは、リアルのコミュニケーションにはかなわないのです」

 むしろ、SNSは若年層の孤独感を促進するとの声もある。これは、人間の感情と脳の発達に起因する。脳科学者の杉浦理砂さんはいう。

「人間は、脳の中心部にある『扁桃体』が感情を司り、理性を司る『前頭前野』がそれをコントロールすることで、感情に振り回されずに生きています。しかし、思春期は前頭前野が未発達な一方、ネガティブな感情に反応する扁桃体は成熟しています。このため若い世代は、SNSでネガティブなメッセージを受け取ると理性が働かず、感情をうまくコントロールできなくなり、衝動的になりやすいのです。

 この時期は特に仲間意識が強く共感力が高いため、仲間から疎外されたときのストレスは大人の想像を絶するほど大きく、強いショックを受けます。大きな孤独感を抱え、そのまま自殺してしまうことがあるのです」(杉浦さん)

 幼少期の生育環境や家族、知人らの自殺経験も重要だ。

「特に、親が自殺していると、子供の自殺率は5倍も上がるといわれています。“大変なことが起きたら自殺する”という選択肢が植えつけられ、自殺が連鎖しやすくなるのです」(樺沢さん)

【相談窓口】
「日本いのちの電話」
ナビダイヤル0570-783-556(午前10時~午後10時)
フリーダイヤル0120-783-556(毎日午後4時~午後9時、毎月10日午前8時~翌日午前8時)

※女性セブン2020年10月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《“七三分け”白髪の石橋貴明が動き始めた》鈴木保奈美「私がお仕事をしてこられたのは…」“再ブレイクと闘病中”元夫婦の距離感
NEWSポストセブン
波瑠と高杉真宙の仲睦まじいツーショット
《波瑠がメガネと白セーター姿で高杉真宙にピッタリ寄り添い…》「思い出深い1年でした」新婚ホヤホヤの2人は“お揃いのデニムパンツ”で笑顔の神対応
NEWSポストセブン
『激走戦隊カーレンジャー』でピンクレーサー・八神洋子役を演じ、高い人気を得た来栖あつこさん
《スーパー戦隊50年の歴史に幕》「時代に合ったヒーローがいればいい」来栖あつこが明かすイエローとの永遠の別れ、『激走戦隊カーレンジャー』ピンクレーサー役を熱演
NEWSポストセブン
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
《識者が“皇族の喫煙事情”に言及》「普段の生活でタバコを吸われる場合は…」秋篠宮さまの“車内モクモク”動画に飛び交う疑問
NEWSポストセブン
小室さん眞子さんのNY生活を支える人物が外務大臣表彰
《小室眞子さん“美術の仕事”の夢が再燃》元プリンセスの立場を生かせる部署も…“超ホワイト”なメトロポリタン美術館就職への道
NEWSポストセブン
今年成年式を終えられた悠仁さま(2025年9月、東京・港区。撮影/JMPA) 
《自らモップがけも…》悠仁さまが筑波大バドミントンサークルで「特別扱いされない」実情 「ひっさー」と呼ばれる“フラットな関係”
週刊ポスト
結婚を発表した長澤まさみ(時事通信フォト)
《トップ女優・長澤まさみの結婚相手は斎藤工と旧知の仲で…》インスタ全削除の“意味深タイミング”
NEWSポストセブン
長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「クマが人里に降りてくるのは必然」「農業は野生動物に対する壮大な餌付け」 知床・ロシアでヒグマを撮った動物写真家が語る “現代の人間に欠けている自然観”
NEWSポストセブン
11人家族の宮前家
《子ども9人“大家族のパン屋さん”》「店員さんが注文を覚えきれなくて(笑)」11人家族のインフレ“金銭事情”と、大人数子育てで培ったこと「マニュアル本は役に立たない」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン