日本でも、豪カンタス航空系LCCの「ジェットスター・ジャパン」が4月からCAだけでなく全社員の副業を認めた。保育士の資格を持つCAが、月10日ほど保育園で働いているケースもあるという。
業界大手の日本航空(JAL)も例外ではない。
「兼業を行なう場合は本業の遂行に支障をきたさないこと等を前提条件に判断しており、これまでにサービス付き高齢者向け住宅や保健所で兼業を行なった事例があります。賃金は兼業先から支払われます」(広報部)
今後はANAでも副業の門戸が開かれるわけだが、現場からは苦悩の声も聞こえてくる。前出の若手CAがいう。
「会社から事前の打診はなく、副業解禁はネットニュースで知りました。ただ、副業するには事前申請のうえ管理職3人の承認を得る必要があるなどハードルが高い。何より、翌月のシフトは前月26日までわからないし、交代要員としてのスタンバイ日も少なくないから他社で働くのは相当難しいです」(ANA広報部は「運用上の煩雑さなどの課題は、日々、改善を行なっています」と回答)
とはいえ、給与だけで足りないなら働きに出るしかない。彼女たちはどんな副業を模索しているのか。
「学生時代にアルバイトしていたファストフード店かコンビニなら経験が生かせますが、シフトのことを考えると難しい。自分の都合に合わせて働けるウーバーイーツで働くのが現実的かもしれません。CAは体力もありますし(笑い)。とにかく月2万円でも3万円でもいいので、なんとかして稼ぎたい」(前出・20代CA)
※週刊ポスト2020年11月6・13日号