忖度なし、我が道を行くスタイルを貫く校風
六大学の中でスポーツ推薦がないのは慶應と東大のみ。慶應は1990年に日本で初めてAO入試を導入し、世間では「事実上のスポーツ推薦だ」とも言われたが、実際はそんなことはなかった。現に今年9月には、中京大中京の高橋宏斗投手がAO入試を受け不合格になっている。その後高橋は急遽プロ志望届を出し、中日のドラフト1位指名を受けたことは記憶に新しい。
古くは怪物・江川卓(元巨人)を落とし、今回もたとえドラフト1位レベルでも基準に満たなければ不合格にする。どんな逸材だろうと忖度なしのスタイルは一貫している。
それは選手にも浸透している。今年、ヤクルトからドラフト1位指名を受けた現エース・木澤尚文は、慶應OBのプロでの伸び悩みを気にする様子はなかった。
「僕には関係ないですね。その都度監督も違いますし、チームの状況も目まぐるしく変わりますから。何も意識する必要はないと思っています」