スポーツ

白鵬、鶴竜の「休みすぎ」には歴代の名横綱と決定的な差が

白鵬の前人未到の優勝記録もくすんで見えてしまう(時事)

白鵬の前人未到の優勝記録もくすんで見えてしまう(時事)

 大相撲11月場所は、白鵬、鶴竜の両横綱が揃って2場所連続で初日から休場。“休みすぎ批判”が高まり、進退を問う声も出ている。横綱は大関以下と違って番付の降格がなく、自ら引退のタイミングを判断する必要がある。歴代の横綱と比較した時、現在の2横綱はどのような評価になるのか。
 
 9月場所も全休だった鶴竜は、途中休場を含めて3場所連続休場。19年7月場所に14勝1敗で6度目の優勝を果たした後は、最近7場所で6度目の休場となった。一方の白鵬は同じく3場所連続休場(全休は2場所連続)で、7場所で休場は5回目。ただ、鶴竜と違い、皆勤となった2場所(2019年11月場所、2020年3月場所)はいずれも優勝している。

 2013年に亡くなった第48代横綱・大鵬は生前、本誌・週刊ポストの取材で「横綱の地位」についてこう話していた。

「私は(横綱の地位が)協会の看板と考えていた。15日間、横綱として恥ずかしくない成績を挙げなければいけない。仮に優勝しても、“今場所は責任を果たせたが、来場所は大丈夫か”と考えながら引退するまで相撲を取った。そして、(責任が)果たせなくなったと感じた時にサッと引退しようと思っていた」

“昭和の大横綱”と呼ばれた大鵬の成績を振り返ると、1967年11月場所から翌年7月場所まで、3場所連続全休を含む「5場所連続休場」を経験している。ただ、1968年9月場所で土俵に戻ってくると、3場所連続優勝を果たした。最後の優勝となったのは1971年の1月場所。同年3月場所も12勝3敗の成績を残したが、次の5月場所で5日目に、“角界のプリンス”と呼ばれ、のちに大関に昇進する貴ノ花との取組で2敗目を喫すると、潔く引退を決めている。

 大鵬と同じく、功績著しい横綱にのみ認められる「一代年寄」を襲名した第55代横綱・北の湖も生前の取材で、「私は横綱という番付にプライドを持っていたので、土俵上で負けて転がって、フーフーいうような姿を見せたくありませんでした」と話している。

 全盛期には“憎らしいほど強い”といわれた北の湖も、晩年はケガに苦しんだ。1982年5月場所から、3場所連続全休を含む「6場所連続休場」があった。その後、1984年5月場所では14場所ぶりとなる優勝を全勝で飾ったが、両国に完成した新国技館で行なわれた1985年1月場所で初日から2連敗。新しい国技館で白星をあげることなく引退した。

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン