国内

菅首相の視線の先にある道州制 独立運動で国家解体の懸念も

菅義偉首相が見据える「道州制」にはどのような影響が?

菅義偉首相が見据える「道州制」にはどのような影響が?

「自助・共助・公助」を政策理念とする菅義偉首相が、繰り返し掲げてきたのが「地方分権の推進」である。しかし、「活力ある地方」の実現と同時に生まれるのは地域格差だ──。

「大阪都構想」が僅差で否決された住民投票の翌日(11月2日)、菅首相はこう語った。「大都市制度の議論に一石を投じたのではないか」──。第一次安倍内閣の総務相時代から、菅首相は地方経済活性化に注力してきた。省庁の反対を押し切って断行したと自負する「ふるさと納税」は、今や返礼品競争が過熱し、自治体の力の差が浮き彫りになった。

 先の自民党総裁選では、地方銀行について「数が多すぎる。再編も一つの選択肢になる」と明言したが、事業者間の競争が進み、大規模倒産やリストラの懸念も生じている。

「私自身が地方出身で、地方の現場をよく知っている」と主張し、一貫して地方分権を唱える菅首相がターゲットとするのが、47都道府県を廃止して、10程度の州に再編する「道州制」の導入だ。

「そもそも道州制は安倍前首相の『大願』でした」と指摘するのは、中央大学名誉教授(行政学)の佐々木信夫氏だ。

 第一次安倍内閣の発足時から安倍前首相は「道州制の導入」を掲げ、道州制特別区域推進本部の初会合(2007年1月)には菅首相も出席している。

「第一次安倍内閣は道州制担当大臣を置き、道州制ビジョン懇談会が『2018年までに日本は道州制に完全移行すべきだ』と提言して必要な法整備を求めました。第二次安倍内閣は『道州制推進基本法』をまとめて公明党と法案提出の準備に入った。全国町村会の反対などから頓挫しましたが『安倍政権の継承が私の使命』と明言し、地方重視の姿勢を示す菅首相なら道州制の実現に向けて動き出す可能性が高い」(佐々木氏)

関連記事

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン