一方、腹式呼吸のコツは、次のステップで押さえられる。
【1】あおむけに寝て、ひざを軽く曲げ、片方の手を胸に、もう片方の手を腹部に置く。
【2】鼻から息を吸い、胸は動かさないようにし、お腹だけがふくらむように手で確認する。
【3】お腹の力を抜いて口をすぼめ、息を吸ったときの2倍程度の時間をかけて、息を吐く。お腹の上に置いた手でお腹がもとに戻るのを確かめること。
この【1】~【3】を10回程度繰り返すと、コツがつかめるはずだ。あおむけに寝ると自然と腹式呼吸になるので、慣れないうちはあおむけで行うのがおすすめだ。コツさえつかめば、姿勢や動作を問わず、腹式呼吸ができるようになる。呼吸法を口呼吸×胸式呼吸から、鼻呼吸×腹式呼吸に変えるだけで、さまざまな不調の改善につながる。今日から習慣づけてみよう。
“鼻力“を高めるセルフケア方法
鼻がムズムズしたり、鼻にウイルスや細菌などの異物がたまって炎症を起こすと、鼻呼吸の妨げになる。そういうときは、鼻やのどを温めながらゆっくり呼吸するとよいという。血液循環がよくなって、鼻の不調を改善できるからだ。
アメリカ・イェール大学の動物実験によると、鼻風邪の代表であるライノウイルスは、37℃で増殖が抑制されたという。つまり、鼻の調子が悪いときは、温めるのが効果的なのだ。ここでは、効果的な温め方を紹介する。
【蒸しタオル呼吸のやり方】
【1】熱めの湯にタオルを入れ、適度に絞る。絞った後のタオルの温度が37~40℃になるようにすること(水で濡らしてから絞ったタオルをレンジで加熱してもOK)。
【2】リラックスした姿勢をとり、鼻から下を覆うように蒸しタオルを当てて、30秒ほど鼻呼吸する。
取材・文/前川亜紀
参考文献/大谷義夫著『疲れやすい、痩せにくいは呼吸が原因だった』(二見書房)
※女性セブン2020年12月3日号