ライフ

熱海移住70代男性「遊ぶことだけなら2、3年で飽きていた」

介護生活の気分転換に両親憧れの熱海へ移住した綾野憲夫さん

介護生活の気分転換に両親憧れの熱海へ移住した綾野憲夫さん

 新型コロナウイルスで生活様式も変わるなか、“人生最後に住む場所”を真剣に考える時がきているのかもしれない。50歳以上の男性300人を対象にし本誌・週刊ポストがアンケート調査を行ったところ、「夢の移住先」トップに選ばれたのは、「熱海」だった。

 実際の暮らしやすさは先輩移住者に聞くのが一番。介護生活の気分転換に両親が憧れた熱海へ移住した綾野憲夫さん(73)が熱海の良さを語る。

 * * *
 そもそも私は熱海が好きで移住したわけではないんです。熱海には派手なイメージがあって、落ち着かない街だなと思っていたからです(笑い)。

 移住すると決めたきっかけは、介護していた両親が「いつか憧れの熱海で暮らしたい」と話していたことと、当時、私も介護に疲れていたので、定年をきっかけに気分転換をしたかったからです。63歳の時のことでした。

 住んでみて思ったのは、それまで抱いていた熱海のイメージとはまったく違っていたということ。その昔は社員旅行や新婚旅行の聖地として大変な賑わいでしたが、私が移住した10年前は不景気で、華やかさは一切ありませんでした。

 ところが不思議なもので、住んでみると、その街がどんどん好きになってくるものなのですね。愛着がジワジワ湧いてきて、今では私も熱海に住む一員として、何か貢献ができないか、と考えるようになりました。

 暮らし始めて気づいたのは、遊ぶことだけを考えていたら2~3年で飽きてしまっただろうなということです。見知らぬ土地に飛び込むからには、「これまでと違う何かをやりたい」という、高齢者の気概みたいなものを持つといいのではないでしょうか。

 現在、首都圏から熱海へシニアの移住をサポートするNPO団体で副理事長を務める傍ら、東京で結成された和太鼓チームに参加しています。残念ながら今はコロナで中断していますが、それまでは月に2回ほど、東京を行き来していました。熱海と東京は距離的に近いので、とても便利ですよ。

※週刊ポスト2020年11月27日・12月4日号

熱海に引っ越すならどこがいい?

移り住む人も多い熱海

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン