国内

政府推奨のマスク会食 「かえって感染を広げる」との指摘も

神奈川県はYouTubeの公式チャンネルで「マスク会食」の解説動画を公開している(神奈川県公式YouTubeチャンネル「かなチャンTV」より)

神奈川県はYouTubeの公式チャンネルで「マスク会食」の解説動画を公開している(神奈川県公式チャンネル「かなチャンTV」より)

 マスク姿の男女のグループが、飲食店でテーブルを囲んでいる。ドリンクが運ばれてくると、マスクをしたまま乾杯。グラスを持った反対の手で、片方の耳からマスクのひもを注意深く外す。片耳にマスクをぶら下げてドリンクを口にすると、すぐにマスクをもとに戻す。

 テーブルに料理が運ばれてくると、会話の中心にいた1人の女性が急に話すことをやめて口を閉ざす。ピアスの光る右耳から左手でさっとマスクのひもを外し、右手に持った箸で料理を口元に運ぶ。左耳ではピアスとマスクが同時に揺れている。しなやかな手つきでマスクをつけ直すと、再び会話の輪に戻る──こんな煩わしい、いや清潔な食事風景を政府は推奨している。

 11月19日、菅首相は会食中に感染の可能性があるとして、食事中であっても会話時はマスクをつける「静かなマスク会食」を国民に求め、「私も今日から徹底したい」と意向を示した。

 新しい生活様式の提案だが、国民の反応はいまひとつ。《マスクしてまで食事するくらいなら食べに行かない》《現実的には無理でしょ》などとインターネット上には批判的な声が相次ぎ、石田ゆり子(51才)も《マスクしながらの会食って…そんなことするくらいなら黙って食べます!》とインスタグラムに綴っている。日本感染症学会指導医の水野泰孝さん(グローバルヘルスケアクリニック院長)が指摘する。

「マスク着用と会食の両立は、非常に難しいことです。さらに、政府は汚れが付着している可能性のあるマスクの外側に手が触れないように、ひもを持っての着脱を推奨しています。医療従事者にとってこの手順はある程度慣れていますが、一般のかたが、ランチのときだけでなくお酒も入る会食の場でこれを実践し続けるのは、大変なことではないでしょうか」

 仮にマスクの外側にウイルスが付着していた場合、マスク会食は感染拡大のリスクを増やすことになりかねない。水野さんがこう続ける。

「食べ物や飲み物を口に運ぶたびにマスクに手をかけるとなると、当然、マスクを触る回数が増えます。マスクを触る回数だけ、感染リスクが高まります。食べているときは会話を控え、食べ終わったらマスクをするのが基本ではありますが、話をしながら食事をしたいのであれば、むしろマスクを外し、話をするときにはハンカチやタオルで口を覆うことでもリスクは軽減すると考えます」

関連記事

トピックス

大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
理論派として評価されていた桑田真澄二軍監督
《巨人・桑田真澄二軍監督“追放”のなぜ》阿部監督ラストイヤーに“次期監督候補”が退団する「複雑なチーム内力学」 ポスト阿部候補は原辰徳氏、高橋由伸氏、松井秀喜氏の3人に絞られる
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
《出所後の“激痩せ姿”を目撃》芸能活動再開の俳優・新井浩文、仮出所後に明かした“復帰への覚悟”「ウチも性格上、ぱぁーっと言いたいタイプなんですけど」
NEWSポストセブン
”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン