――リオ五輪では完走140人中139位でゴール。その時の気持ちは?
猫:タイムが悪かったのでアスリートとして悔しい部分もありました。でも五輪の舞台は本当に素晴らしくてすごく楽しかった。練習でとにかく苦しんだ分、試合はリラックスして楽しむ方が自分の実力が出せていいと思います。選手村でも世界の有名な選手にたくさん会えて興奮しました! 食堂でウサイン・ボルト選手と一緒に写真も撮れました(笑い)。
ネタとしておもしろかったのは、五輪の選手村にコンドームはあるのか、という都市伝説がはっきりしたこと。コンドームはあります! 選手村の中にたくさん、無料で配られていました。ぼくはお土産として350個もらってきたんですけど、配ったらみんなに喜ばれました。選手村では、エイズなどの性感染予防のために置かれているそうです。
――日本唯一の五輪経験のある芸人だと思いますが、リオ五輪後に変化は?
猫:日本ではなく、世界で1人みたいです!変化は、電車に乗っているとオジサンが静かにやってきて「応援しています、オヤジの鏡です」って、うれしいのかうれしくないのか微妙なことを言われたり、いろいろな人にちょっと優しくしてもらえました。でもその魔法も3か月くらいで解けました。
オリンピアンとして得したことは、新幹線がグリーン車になったこと。講演会などに呼んでいただける時、「グリーン車でお願いします」と相手に言いやすくなったとマネージャーが言っていました(笑い)。
――東京五輪出場は、どのくらい可能性がある?
猫:昨年の暮れにフィリピンで東南アジア大会があって、カンボジア代表で出場しました。そこで他国の選手に破れ順位が悪かったので、オリンピック出場の可能性は前回より低いんです。いまでもカンボジアではマラソン1位をキープしていますが、特別参加枠(ワイルドカード)で選ばれないといけないので、まだなんとも言えないですね。
東京五輪が来年に延びたことで、選ばれる可能性は上がったと思います。ただ、いつ出場が決まるかは、はっきりしないんですよ。リオのときも開催年の5月に行われた国内予選で優勝して出場することが決まりました。だから後悔しないようにやれることを全力でやって、人事を尽くして天命を待つのみです。