ブライアン・オーガン《ダイアナ 妃 》(c)National Portrait Gallery, London

ブライアン・オーガン《ダイアナ 妃 》(c)National Portrait Gallery, London

皇室の見られ方は英王室に近づくか?

「小室さんの登場によって、日本の皇室と国民の距離感が英王室と国民の距離感に近づいたかもしれない」(中川氏)との意見もあるが、英王室に詳しい識者はどう見るか。

 現在、上野の森美術館では「KING & QUEEN展」が開催されており、テューダー朝から現在のウインザー朝までの王室にかかわる人々のポートレートなど90点を展示している。ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリーの所蔵する作品が展示されており、英王室1000年以上の歴史のうち、約500年を振り返り、映画にもなった『英国王のスピーチ』や『エリザベス』の背景を知ることができるとともに、英王室がどのように扱われてきたかも理解できる。

 同展覧会の主催社の一社である東京新聞事業局文化事業部の小山田有希氏は英王室と国民からの距離感についてこう語る。

「イギリス王室は、歴代のロイヤルファミリーについて色々なエピソードが垣間見えるところが興味深いと思います。例えばテューダー朝(1485年~1603年)のヘンリー8世は6人の妻を持ち、うち2人と離婚、2人を処刑したことで有名です。また、イギリス王室は長い伝統を受け継いでいますが、途中でドイツ出身の方を王室に入れて残っている面もあり、自由な部分が多いような気がします。王室を離脱したメーガン妃にしてもアメリカの女優でしたからね」

 このように、まったくの品行方正が求められているわけでもなく、外国出身者も王室入りするなど、日本よりも柔軟な対応をしているように見受けられる。そして、話は世界的人気を誇ったダイアナ妃(1997年逝去)にも及ぶ。

「イギリス王室の場合、ダイアナ妃の場合、かなりきれいな方だし、人気もあったので話題になりました。展覧会ではダイアナ妃がウイリアム王子やヘンリー王子を抱いている写真もありますが、とてもきれいで人気があります。晩年、パパラッチから狙われることもあったと聞きますが、英国ではヴィクトリア女王の時代以降、広報的な意味でも王室の写真が出回るようになり、現在のエリザベス女王も、威厳ある戴冠式の写真から、家族写真のような親近感を感じられる写真などさまざまな写真や肖像画を公開しているため、『身近にみられる対象』という文化はありました。それが、後にスキャンダルの対象になったわけです。逆にそういうことを国民が話せたり、メディアが報じるぐらいに色々な情報が伝わっていくようになりました」

 英王室グッズも多数販売されており、国民にとっては「セレブ一家」的なゴシップの対象となっている面もある。これからの日本の皇室報道も英王室のように変化していくのだろうか? 前出の中川氏はこう語る。

「眞子さまと小室さんが結婚した場合、相当注目されることでしょう。その時こそ『開かれた皇室』的な報道が増えるかもしれません。それこそ、皇族がいわゆる“パリピ”的雰囲気がある、という声が上がったとしても『それはそれでいいじゃない』的な反応です。そういった意味で、今回のお2人の行く末はメディアの報道のあり様、国民の皇室への距離感を変える1つのきっかけになるかもしれません」

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