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辛さの豆知識「日本人が辛さに弱い理由」「水は辛さを強調」

辛みに関する豆知識を紹介

辛みに関する豆知識を紹介

 コロナ禍で自粛ムードの2020年の冬は、巣ごもり消費で刺激を求めて“おうち激辛”を楽しむ人が増加したという。にわかに訪れた激辛ブーム。そこで、辛みについての豆知識をご紹介しよう。

辛みにはどんなものがあるの?

 管理栄養士の山内寿子さんに辛みの種類を聞いた。

「辛み成分には、唐辛子のカプサイシン、山椒や花椒のサンショオールとサンショアミド、こしょうのピペリン、しょうがのジンゲロール、わさびやからしのアリルイソチオシアネートがあります。人間が舌で感じる味は、甘み、塩み、旨み、酸み、苦みの五味。辛さはそれとは別の痛覚という温度や痛みを感じるセンサーで感じるのが特徴です。熱い、痛いと感じるのは、そのせいです」(山内さん)

 ちなみに辛みの健康効果について1級フードアナリストで激辛料理専門家の金成姫さんは次のように語る。

「唐辛子には食欲増進や肥満予防効果があり、山椒には冷え改善と大脳を刺激し内臓器官を活発にする作用が。こしょうは冷えの改善。しょうがは食欲増進と発汗作用。わさびには食欲増進と抗菌作用が期待できます」

辛さを抑えるのにいい飲み物は?

 辛み成分のカプサイシンは脂溶性。辛さでヒリヒリするときに水を飲むのは、かえって辛さが強調されるのでNGだ。

「乳製品のカゼインが、カプサイシンと結合して辛みを抑えるので、牛乳やラッシー、ヨーグルトドリンクが有効です。胃粘膜を守るために事前に飲むのも◎。クエン酸も辛みを抑えるのでレモンを使った飲み物や、料理に牛乳やチーズを加えるのもいいでしょう」(山内さん)

日本人はなぜ辛さに弱い? 強化法は?

 糖尿病専門医の市原由美江さんは辛さについてこう言う。

「辛さに慣れてくると感覚神経が麻痺し、さらに脳内にエンドルフィンが分泌され、快感を得られるため、辛さがエスカレートするのです」(市原さん)

 個人差もあるため、胃腸の弱い人の無理は禁物だ。

「ただ、子供の頃からスパイシーなものを食べる習慣のある国では、日本人よりも辛さに強い傾向がある」と、山内さんは言う。

「辛さに強くなるには、少しずつレベルアップさせるしかありません。舌は冷えると辛さに鈍感になるので、冷まして食べるのも1つの方法でしょう」(山内さん)

唐辛子の種類と、辛さのレベルは?

 日本に入ってきている唐辛子でみると、キャロライナ・リーパーが最も辛く、次いでトリニダード・スコーピオン、ブート・ジョロキア、ハバネロと続く。

「いまでは国内4位に当たるハバネロでも、鷹の爪の約7倍もの辛さです。ちなみに辛さは、唐辛子の辛みの主成分カプサイシンを基本とした単位=スコヴィル値(SHU)が目安になっています」(金さん)

 だが世界では、ドラゴンズ・ブレスやペッパーXなど、“ギネス・辛さ世界一”の認定を更新する最強唐辛子が、次々に登場している。辛さ、恐るべし。

辛いものを食べとやせられる?

「カプサイシンがアドレナリンの分泌を促し、エネルギー代謝を助けるので、唐辛子ダイエットが1999年頃に流行しました。ただ、これは筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲンを燃焼しやすくしているだけ。脂肪を燃焼させる運動を併せて行うことも必要です」(山内さん)

「辛いものと一緒にご飯などの炭水化物やラー油のような脂肪分を多く摂れば、太りやすい。やせるには、ご飯を豆腐に変更するなど工夫して、さらに運動するのも重要です」(金さん)

 自分がどの程度の辛さに耐えられるか確認しながら、安全に“辛さ”を楽しんでみよう。

取材・文/北武司

※女性セブン2020年12月24号

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