芸能

古今亭駒治 トリビア満載の爆笑新作落語『地下鉄戦国絵巻』

鉄道好きで知られる古今亭駒治の新作落語とは?(イラスト/三遊亭兼好)

鉄道好きで知られる古今亭駒治の新作落語とは?(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接してきた。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、鉄道好きで知られる古今亭駒治の新作『地下鉄戦国絵巻』についてお届けする。

 * * *
 新作派の古今亭駒治は鉄道好きで知られ、鉄道ネタの新作をたくさん作っている。代表作は『鉄道戦国絵巻』。東横線がJRに寝返ったため東急が戦争を仕掛ける噺で、東急とJRは戦国大名、各路線は戦国武将に擬人化され、東急軍は田園都市線・大井町線・池上線・目黒線・多摩川線・世田谷線・こどもの国線の七人集に加えJRに恨みを持つ西武新宿線と京成線という陣容。遅れて京浜急行線も援軍に駆けつける。

 この『鉄道戦国絵巻』の姉妹編が先日初演された。三田線が都営地下鉄を脱退して東京メトロに寝返ったため都営軍がメトロ軍に全面戦争を仕掛ける『地下鉄戦国絵巻』だ。

「おのれ三田線め、遂にやりよったか! わしの目を盗みメトロの南北線と手を組んで東急目黒線に乗り入れた時から怪しいと思っていた」

「日比谷・三田・白金台を失ったのは大きな痛手、残されたのは練馬・西馬込・本八幡くらいです」

「それでは到底太刀打ちできん。皆を集めよ! 全面戦争じゃ!」

 都営軍は浅草線・新宿線・大江戸線・都電荒川線・日暮里舎人ライナー、そして都営に乗り入れている京浜急行線と京王線という陣容。早速軍議を開き、京急は東急を味方につけて目黒線への三田線乗り入れを阻止、新宿線は猪瀬直樹が壁を取り払った九段下駅で半蔵門線を襲い、千代田線以外すべてのメトロと接続している大江戸線は「何度乗り換えても都庁前に着いてしまう」迷宮に誘い込む等の作戦を立てる。

 だが都営に乗り入れる数少ない路線の一つ京成線は、速く走ることだけが自慢の京急より高速運転している区間があることが発覚して京急と仲違いし、参陣せず。もともと都営線乗り入れが不本意だった京王線も早々に逃げ出した。首都圏のほとんどの路線がメトロに乗り入れているため都営軍は防戦一方に……。

関連キーワード

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン