アニソンの世界に足を踏み入れた鈴木は、世界最大のアニソンイベント「Animelo Summer Live (アニサマ)」をはじめとしたアニソン系の音楽イベントにも出演している。
しかしあくまで「アニソンの世界では自分は新人」という意識なのだろう。2019年3月、鈴木にとって初めてのアニメイベント「MBSアニメヒストリア—平成—」に出演した後は、何十歳も年下の共演者たちと撮影した記念写真をブログで公開。
そこに綴られた、〈終演後に業界の先輩の方々にお近づきになりたい一心で、写真撮影をお願いした〉〈皆さま、日本のアニメーション界を代表する先輩の方々が、暖かくひとりの新人を迎え入れてくれました。本当に今日は楽しかったです〉(3月17日に更新したブログより)という謙虚な言葉が微笑ましい。
なぜ鈴木は、アニメファンからも支持を集めることができたのか? 先述の『令和2年アニソン大賞』の選考委員も務める音楽プロデューサーで音楽評論家の冨田明宏氏が語る。
「『令和2年アニソン大賞』の大賞は、今年もっとも話題を集めたアニソンであるLiSA『炎』と並んで鈴木雅之『DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理』のW受賞となりました。Twitterのリアクションなどを見ている限り、その結果に異論や反論は、ほぼ見かけませんでした。それだけマーチンの存在はすでにアニソンファンに受け入れられているということでしょう」