つまり、国民が思っているよりコロナの感染者は多く、そして死亡率は低いというわけだ。それに対し、接種慎重派の岡田氏は、ワクチンにまつわる2つの懸念を指摘した。
「ひとつは重大な副反応として懸念されているアナフィラキシーショックです。他の医療行為でも起きることであり、コロナワクチンで起きる危険性は高くないという意見があることは承知しています。しかし、これは幼い子供と高齢者に圧倒的に多いのに、メーカー各社の治験では子供は対象にされておらず、高齢者のデータも非常に少ないから、アレルギー体質の人は打つべきではないのです。
もうひとつはワクチンに対する過信です。ワクチンを打っても感染率が下がる(可能性がある)だけで、感染を完全に防げるわけではない。ワクチンを打てば安心だという意識が広がると、基本的な感染予防を怠って逆効果になる可能性があります。『俺はワクチンを打ったから安心だ』と、予防対策なしに飲食や旅行をする人が増えると、今よりもっと感染が広がる悲劇が起きます」
そのうえで岡田氏は、ウイルスとの戦いはワクチンなしでも終わると語る。
「ワクチンに頼らなくても、新型コロナが今後5年も10年もはびこる可能性はほぼありません。過去、人類は何度もパンデミックに襲われていますが、どれも必ず、ワクチンなどなくとも収束しています。ウイルスは宿主である人間がいなければ生きられないのだから、人類を滅亡させないという自然法則があるのです。根絶にはかなりの時間がかかるとは思いますが、今回も必ずパンデミックは収束します」
専門家でも意見が割れるテーマだけに、両論に耳を傾けて慎重に判断したいが、まだまだコロナについて我々が知らないこと、知らされていないことが多くあるというのは、決して良いことではないだろう。