国内

満足度が低い大学のオンライン授業 ハイブリッド化で改善へ

記者会見する萩生田光一文部科学相(時事通信フォト)

記者会見する萩生田光一文部科学相(時事通信フォト)

 コロナ禍で大学の授業のほとんどがオンライン化してから、早くも1年弱が経つ。オンライン授業には多くの問題があったが、当初の課題は解決しているのだろうか。今後のオンライン授業はどうなっていくのか。元教員でICT教育事情に詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが、大学のオンライン授業の現状と今後について解説する。

 * * *

「入学式以来、一度も大学に行けていない。同級生の友だちはゼロ。毎日オンライン授業と課題に追われている。困っても相談できる友達がいなくて、気づくと涙が出ていることがある」と大学生から聞いたのは、2020年の夏頃だ。ほとんどの大学がオンライン授業のみで校内に立ち入れなくなっていたためだが、その後、多くの大学で対面授業が再開している。

 文部科学省の「大学等における後期等の授業の実施方針等に関する調査」(2020年9月)によると、後期授業ではほぼすべての大学が対面授業を実施。約8割が対面と遠隔の併用を予定している。対面・遠隔を併用する大学のうち、約6割が授業の半分以上を対面で実施予定だ。また、約6割の大学で、おおむね全員の学生が週に2日以上通学できると回答している。

 上記で分かる通り、対面授業は始まったものの、まだまだオンライン授業が多くの割合を占める。オンライン授業の現状はどうなっているのか。

学び・コミュニケーション上の問題は大きい

 まず、改めて授業の種類について整理しよう。従来の対面型と、パソコンやスマートフォン経由で受講するオンライン型に分かれ、オンライン型にもリアルタイム型、オンデマンド型がある。リアルタイム型はZoomやTeamsなどのウェブ会議システムを通じてリアルタイムにチャットなどを通じてやり取りしながら進めるものであり、オンデマンド型は事前に収録した動画を見せるものだ。

 大学での学びには、実験や実技、演習など、対面でなければ難しいものも多い。しかし新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が発せられていた2020年前期は、そのようなものもオンラインで済ませる傾向にあり、学生側の不満が募っていた。そこで、後期の授業については文部科学省が大学側に対面授業再開を要請、10月には「対面講義の割合が5割に満たない大学は大学名を公表」(萩生田光一文部科学大臣)と宣言することになったというわけだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト