中田は、公然と松本に物を申したことがあった。2017年2月、脳科学者の茂木健一郎氏が「日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン」とツイートした。すると、松本が『ワイドナショー』(フジテレビ系)で「(茂木氏には)笑いのセンスがまったくないから、この人に言われても刺さらない」と心境を語り、翌週に番組出演した茂木氏が「エールのつもりで言ったのですが、誤解を招いてしまい、すみません」と謝罪する格好になった。
これで事態が収束したかに思えたが、中田はオフィシャルブログで一連の騒動について言及した。
「茂木さん負けるな!と思っていたところ、大御所の番組に出演して大御所に面白くないと言われ公開処刑をされてしまいました。大御所にセンスがないとか価値を決められてしょげ返っている様子こそが茂木さんの意見通りだったのに。茂木さんの指摘、当たってたのに」(2017年4月15日)
こうして松本に噛み付いた1か月後、『らじらー!サンデー』(NHKラジオ第1)で「(吉本興業の)幹部と社長に今、僕は『謝れ』と言われている。僕の意志としては謝らない。僕も覚悟を持ってやってますので。すごいんですよ、騒ぎ方が。会社と先輩と」と話し、一歩も引かない姿勢を見せた。
「この騒動の影響かはわかりませんが、中田のテレビ出演は徐々に減っていきました。本人の意向も強かったのでしょう。今のテレビは瞬間芸で、いかに5秒で面白いことを言えるか。それに、どれだけ周りと調和できるかで勝負が決まる。中田はそれに飽きていて、1人でずっと喋るスタイルで戦いたかった。それを実現できるYouTubeという場所を見つけたことで、仕事の軸足をテレビからネットに変えていきました。今年3月にはシンガポールに移住する予定で、日本での活動は縮小するでしょう」(前出・テレビ局関係者)
中田がテレビをメインに活躍していた頃、ダウンタウンの勢いが弱まっていたように見えた時期もあった。
「一時、『爆笑!大日本アカン警察』『教訓のススメ』(以上、フジテレビ系)、『100秒博士アカデミー』(TBS系)など新番組が、期待していたほど視聴率を取れなかった。もちろん、それをダウンタウンだけのせいにはできませんが、彼らに“限界説”が囁かれていたのも事実です。しかし、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の終了に伴い、2014年4月から『ワイドナショー』の放送時間が日曜10時に移ったのを機に、松本のコメンテーターとして能力が注目を集めるようになり、盛り返し始めた印象です」(民放関係者)