室井氏も「国や行政のリーダーシップが必要」と指摘する。
「今の医療体制を改善して重症者の受け入れを増やすには、国や行政が音頭を取ることが不可欠です。現実には特定機能病院には都道府県知事の業務命令権がなく、厚労省の管轄といえども、緊急時の措置要求権が及びません。本気で状況を変えたいなら、医療機関が手を挙げるのを待つのではなく、国がリーダーシップを発揮できる法改正を進めるべきです」
同じく法改正の必要を説く塩崎氏はメルマガでこう「論点整理」をした。
〈法改正では、知事と厚労大臣に重症・中等症者の入院につき、大学病院、公的病院等に対し、要請と指示ができるよう明確に法定するとともに、そうした受け入れ病院への公費補助、および他の医療機関からコロナ中核施設に一時的にサポートに入る医師の身分保障などを明確に規定すべきだ〉
冬場の第3波到来は早くから懸念されていたにもかかわらず、必要な法制度の整備はされてこなかった。今後、大学病院という「資産」を有効活用せずに、医療崩壊を避けることはできない。
※週刊ポスト2021年2月12日号