一番出費したのは「バキバキスマホの修理代」

 高校を卒業したばかりの上野さんは実家暮らし。まだ10代の若さで一昨年は2077万円、昨年は1754万円も稼いでいるが、欲しいものはないし、化粧品なども買わないという。

10代の若さで1754万円の賞金を獲得した上野愛咲美・扇興杯(時事通信フォト)

10代の若さで1754万円の賞金を獲得した上野愛咲美・扇興杯(時事通信フォト)

「子供のころは文房具が欲しかったりしましたが、今は物欲もなくて……」という上野さんに、何にお金を使うのかと聞くと、隣に座っていた里菜さんから「一時期、携帯電話を何回も壊していたじゃない?」とのコメントが飛んできた。

 すると、「何度も画面がバキバキに割れちゃって、店員さんと仲良くなるほど、しょっちゅう通いました(笑い)」と上野さん。1回1万円以上かかったそうだが、でもそれだけ。若手棋士は遊ばず“碁ひと筋”の人が活躍しているので、貯まる一方のようだ。

1000万プレイヤーも近い仲邑菫初段

 若手の注目棋士といえば、今年4月から中学生になる仲邑菫初段。昨年は女流棋聖戦でベスト8に残るなど、徐々に実績を積んできている。本人も「中学生のうちに女流タイトル獲得」が目標といい、達成すれば、中学生で1000万円プレイヤーになるのも夢ではない。

仲邑菫初段は史上最速、中学生で1000万円プレイヤーになるか(時事通信フォト)

仲邑菫初段は史上最速、中学生で1000万円プレイヤーになるか(時事通信フォト)

 小学生でプロになった先輩の藤沢女流本因坊は、16歳のとき(2014年)女流本因坊と会津中央病院杯(現・立葵杯)のふたつのタイトルを獲得し、1673万円を稼いで女流トップに躍り出ている。菫初段が史上最速で1000万円を超え、藤沢女流本因坊の最年少記録を破ることができるかどうかも今後の注目ポイントだ。

 ただ、藤沢女流本因坊と上野扇興杯のふたりは特に「トップ棋士と遜色ない実力」と井山棋聖も認めており、立ち向かう菫初段にとっても簡単な相手ではない。

 現在は大阪から東京に所属を移籍して、さらなる飛躍を目指している。菫初段がいつベストテンに名乗りを挙げるのかも楽しみだ。

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