2020年のフェブラリーステークスを勝ったモズアスコット

2020年のフェブラリーステークスを勝ったモズアスコット

 芝に戻すことも考えていましたが、ユニコーンSでの勝ち方が強く、まだまだ伸びしろがあると確信、まず重賞で使えるよう賞金を稼いでおきましょうということでダート路線を歩んできました。 幅田昌伸オーナーからは、たびたび芝に戻したいという話がありましたが、ここまで来てしまった。今回は「最後にGⅠへ」と後押ししてくださいました。

 ワイドファラオの父ヘニーヒューズはアメリカのダート戦線で活躍して種牡馬になりましたがビホルダーというGⅠ2勝馬を出したぐらいで海外での活躍馬は少なく、産駒はむしろ日本での活躍が目立ちます。産駒を多く見ているわけではないので、何が日本に合うのかは分からないのですが、朝日杯フューチュリティステークスのアジアエクスプレス、フェブラリーステークスのモーニンと、芝ダート両方でGⅠ馬を輩出しています。

 ワイドファラオは昨年5月の地方交流GⅠ、船橋のかしわ記念で、フェブラリーステークスを制したモズアスコットや、2018年の最優秀ダート馬のルヴァンスレーヴなどGⅠ馬5頭を相手に勝ちました。体調もよかったのですが、鞍上の福永騎手が上手く逃げる形に持ち込んでくれた結果です。ここ2戦はやや収まりがよすぎて弾けませんでしたが、3か月半じっくり調整もできた。東京のマイルでは勝ち鞍がありますし、展開ひとつだと思います。

 鞍上は20年前、角居厩舎最初のGⅠに騎乗してくれた福永祐一騎手です。角居厩舎ではこれまでGⅠに13回騎乗してもらって、シーザリオとエピファネイアで勝利をもたらしてくれています。これが最後、156回目のドキドキかと思うとなんとも感慨深いものがあります。

 ただ、ワイドファラオはまだまだこれからの馬ですし、まず怪我のないように。そして転厩先となる辻野泰之厩舎とともに、これからの競馬を盛り上げる馬になっていって欲しいですね。

◆角居厩舎 今週の出走予定馬

2月20日(土)
阪神7R 4歳上1勝クラス ロータスランド 牝4 55武豊
阪神9R つばき賞 3歳1勝クラス トーセンインパルス 牡3 56北村友一
小倉11R 皿倉山特別 4歳上2勝クラス ダブルフラット 牡6 55吉田隼人

2月21日(日)
東京11R フェブラリーステークス(GⅠ) ワイドファラオ 牡5 57福永祐一
阪神6R 3歳1勝クラス アンブレラデート 牝3 54三浦皇成
小倉7R 4歳上1勝クラス ヴィオリーナ 牝4 54吉田隼人 

【プロフィール】
角居勝彦(すみい・かつひこ)/1964年石川県生まれ。2000年に調教師免許を取得し、2001年に開業。以後19年間、中央でGI26勝、重賞計82勝を含む761勝(2021年2月19日現在)。最多勝利3回、最多賞金獲得5回など13のJRA賞を受賞。地方、海外を合わせたGI38勝は現役1位。デルタブルースでメルボルンカップ、シーザリオでアメリカンオークス、ヴィクトワールピサでドバイワールドカップを勝つなど海外でも活躍。引退馬のセカンドキャリア支援や障がい者乗馬など福祉活動にも尽力。管理馬は他にウオッカ、カネヒキリ、エピファネイア、ロジャーバローズなど。

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