芸能

『青天を衝け』で北大路欣也が話題 ユニーク解説者は過去の大河でも

北大路欣也

『青天を衝け』では北大路欣也にも注目が集まっている

 吉沢亮が渋沢栄一を演じ、話題を集めているNHK大河ドラマ『青天を衝け』。北大路欣也(77才)演じる徳川家康が冒頭、物語を“解説”する役割を担っている。一風変わった解説者ぶりにSNSでも話題を集めているが、こうしたユニーク解説者は今回が初めてではなかった。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 大河ドラマ『青天を衝け』、第一話の冒頭、突如、北大路欣也の徳川家康が出てきてカメラ目線で「こんばんは、徳川家康です」と挨拶したのには、たまげた。こんばんはって。大御所様ったら。しかも、第二話でも「鎖国してたね、なんて言われますが」と地図など広げながら、一人芝居のような熱演でまたビックリ。

 家康登場には、ドラマの主人公である渋沢栄一が、東照大権現様(家康)の教えを大事にしていたこと、ややこしい幕末の情勢を家康の解説により、わかりやすく伝えようという意図があるらしい。確かに「勤皇」「佐幕」「攘夷」など、さまざまな志や主張を持つ人物や藩が入り乱れて、幕末ものはわかりにくいとも言われる。諸外国の事情もからんでくるし、解説があるのはありがたい。

 実はこれまでにも大河ドラマには、ユニークな「解説者」が登場している。中には言いたい放題の解説者もいて、毎回驚かされた。

 1995年の大河『八代将軍吉宗』の近松門左衛門(江守徹)。劇作家の近松は、五代将軍綱吉(津川雅彦)の時代は元禄文化全盛で活躍できたが、質素倹約路線の吉宗(西田敏行)が将軍になると、途端に締め付けが厳しくなって文句たらたら。そこでドラマとはまったく別の部屋にいる近松は、「頭の固いお役人に、一泡吹かせようと…」出てきたのである。

 江守といえば、大河ドラマ『元禄太平記』で堂々たる大石内蔵助を演じた名優である。活舌抜群、押しの強さも人一倍。経済問題に苦慮した吉宗の事情について、「さて、この年は豊作なれど、皮肉にも米が余り、値がどんどん下がり申した。いわゆる豊作貧乏でござる」と声を出し、時にパネルは出すわ、表を持ち出すわ。名解説を繰り広げた。

 2000年には『葵 徳川三代』の解説に水戸光圀(中村梅雀)が登場。ドラマで自分の祖父にあたる徳川家康(津川雅彦)が、天下取りの仕上げに鼻をふくらませて奮闘する最中、光圀は、真っ赤な着物に渦巻き柄の羽織など、派手ないでたちでドラマと関係なくお陽気に出てくる。「当時の諸大名の勢力を石高別に披瀝いたさん」と、壁のランキング表を見せ、「第四位は金沢84万石前田利長…」と示しながら、「そして、ぶっちぎりの第一位は、もうおわかりですな。ジャッジャジャジャーン!! 江戸260万石徳川家康公にござります」とニカーっと笑顔だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《デートはカーシェアで》“セレブキャラ”「WEST.」中間淳太と林祐衣の〈庶民派ゴルフデート〉の一部始終「コンビニでアイスコーヒー」
NEWSポストセブン
Aさんは和久井被告の他にも1億円以上の返金を求められていたと弁護側が証言
【驚愕のLINE文面】「結婚するっていうのは?」「うるせぇ、脳内下半身野郎」キャバ嬢に1600万円を貢いだ和久井被告(52)と25歳被害女性が交わしていた“とんでもない暴言”【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《独特すぎるゴルフスイング写真》“愛すべきNo.1運動音痴”WEST.中間淳太のスイングに“ジャンボリお姉さん”林祐衣が思わず笑顔でスパルタ指導
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
「どうぞ!あなた嘘つきですね」法廷に響いた和久井被告(45)の“ブチギレ罵声”…「同じ目にあわせたい」メッタ刺しにされた25歳被害女性の“元夫”の言葉に示した「まさかの反応」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
遠野なぎこと愛猫の愁くん(インスタグラムより)
《寝室はリビングの奥に…》遠野なぎこが明かしていた「ソファでしか寝られない」「愛猫のためにカーテンを開ける生活」…関係者が明かした救急隊突入時の“愁くんの様子”
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)が犯行の理由としている”メッセージの内容”とはどんなものだったのか──
「『包丁持ってこい、ぶっ殺してやる!』と…」山下市郎容疑者が見せたガールズバー店員・伊藤凛さんへの”激しい憤り“と、“バー出禁事件”「キレて暴れて女の子に暴言」【浜松市2人刺殺】
NEWSポストセブン
目を合わせてラブラブな様子を見せる2人
《おへそが見える私服でデート》元ジャンボリお姉さん・林祐衣がWEST.中間淳太とのデートで見せた「腹筋バキバキスタイル」と、明かしていた「あたたかな家庭への憧れ」
NEWSポストセブン
先場所は東小結で6勝9敗と負け越した高安(時事通信フォト)
先場所6勝9敗の高安は「異例の小結残留」、優勝争いに絡んだ安青錦は「前頭筆頭どまり」…7月場所の“謎すぎる番付”を読み解く
週刊ポスト
アパートで”要注意人物”扱いだった山下市郎容疑者(41)。男が起こした”暴力沙汰”とは──
《オラオラB系服にビッシリ入れ墨 》「『オマエが避けろよ!』と首根っこを…」“トラブルメーカー”だった山下市郎容疑者が起こした“暴力トラブル”【浜松市ガールズバー店員刺殺事件】
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《熱愛ツーショット》WEST.中間淳太(37)に“激バズダンスお姉さん”が向けた“恋するさわやか笑顔”「ほぼ同棲状態でもファンを気遣い時間差デート」
NEWSポストセブン
4月は甲斐拓也(左)を評価していた阿部慎之助監督だが…
《巨人・阿部監督を悩ませる正捕手問題》15億円で獲得した甲斐拓也の出番減少、投手陣は相次いで他の捕手への絶賛 達川光男氏は「甲斐は繊細なんですよね」と現状分析
週刊ポスト
事件に巻き込まれた竹内朋香さん(27)の夫が取材に思いを明かした
【独自】「死んだら終わりなんだよ!」「妻が殺される理由なんてない」“両手ナイフ男”に襲われたガールズバー店長・竹内朋香さんの夫が怒りの告白「容疑者と飲んだこともあるよ」
NEWSポストセブン