「令和の運び屋」と自称する河野太郎ワクチン担当相(時事通信フォト)

「令和の運び屋」と自称する河野太郎ワクチン担当相(時事通信フォト)

 今後、国内での接種が進む。問題なのは日本はイギリスと同様にどのワクチンを打つか、個人では選べないことだ。海外の事例が示すのは、ワクチンはタイプにより効果や安全性が異なるということ。自分や家族が接種するなら、「どれも変わらない」と高を括るのではなく、それぞれのワクチンの違いを知っておきたい。

ファイザー? アストラゼネカ? モデルナ?

 日本政府はファイザー社(7200万人分)、米モデルナ社(2500万人分)、アストラゼネカ社(6000万人分)とワクチン供給の契約を結んでいる。私たちはその3社のいずれかのワクチンを接種することになる。

 私たちの体に異物が侵入すると、それを攻撃する「免疫システム」が機能して異物の侵入を防ぐ「抗体」を作る。通常のワクチンは、病原体の一部を人工的に体内に送り込んで免疫システムを作りだし、ウイルスなどの感染を防いだり、重症化を防ぐものだ。さらに、ワクチン接種で抗体を持つ人が増えると「集団免疫」が確立されて、感染拡大を抑える効果が期待される。

 今回のワクチンが画期的なのは、「病原体の一部」ではなく、「遺伝子情報」を体内に送り込むことだ。

「ファイザー製とモデルナ製のワクチンは、『mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン』というタイプで、ウイルスの遺伝子情報を体に打ち込み、免疫反応を呼び起こします。これは世界初の試みであり、人体への影響などの評価が確立されたとは言い切れません。

 一方、アストラゼネカ製は『ウイルスベクターワクチン』というタイプで、アデノウイルスの一種であるチンパンジーの風邪ウイルスを無害化したものに、コロナの遺伝子情報を組み込んだものを接種します」(一石さん)

 気になる副反応は3つのワクチンでどう違うか。

「ほぼ同じような副反応が報告されていますが、アストラゼネカ製は症状が強く、解熱鎮痛剤を多く使う可能性が報告されています」(一石さん)

 ファイザー製とモデルナ製は世界初の試みだけに安全性への懸念もあるが、血液内科医の中村幸嗣さんは「過剰な心配はいりません」と語る。

「ファイザーとモデルナのmRNAワクチンは30年以上基礎研究が続いた技術です。アレルギー反応については処置の手順が確立しており、死亡にいたるケースはまずないと考えられます。

 体内に送り込む遺伝子情報がずっと残って悪影響を及ぼすとの懸念も一部で伝えられていますが、ワクチンのRNAは短期間で分解・除去されるためヒトの遺伝子には組み込まれず、体内に残らないとされます」

 肝心の効き目はどうか。ワクチン接種によって感染リスクがどれほど減ったかを示す「有効性」は、ファイザー製95%、モデルナ製94.5%、アストラゼネカ製70%との結果が出ている。

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