中国は「サラミ戦術」で確実に尖閣に近づいている(時事通信フォト)

中国は「サラミ戦術」で確実に尖閣に近づいている(時事通信フォト)

 日本政府は「領土」への意識が薄い。今は海警局の船が来て、海上保安庁が対処しているからいいじゃないかという程度でしょう。これはいわゆる「サラミ戦術」で、日本が弱い対応をしていれば向こうはサラミを刻むように徐々に厳しくしてきます。そして用意周到に一線を越えてくるでしょう。これまでを見ても、最初は中国漁船がチョロチョロ出てくるだけだったものが、海警局が現れて、いつの間にかいつもいるようになった。そして今は海警局が日本の漁船を追い出すところまできた。次は尖閣上陸でしょう。一度占拠されれば、日本政府に武力を使ってでも取り返すという決断ができるとは思えません。今はもうそのギリギリのラインまで来ています。漁民だけでなく海保職員の命も危険に晒されています。

 香港を見てください。日本人だけでなく、欧米もまさかあんなことをするとは思っていなかった。あれは軍事制圧です。南シナ海でのフィリピンとの領土紛争では、国際司法裁判所の決定すら平気で反故にした国です。ではアメリカに頼る? 日本人が何もしないのにアメリカが動くなんてあり得ない話です。ここは覚悟を決めて、日本が海域を実効支配しているうちに尖閣に上陸して、環境調査でも慰霊のための行動でも、日本政府ができることをすべきです。もしくは、海洋環境調査など正当な行動をとるべきです。中国は激しく反発するでしょうが、少なくとも国際社会は日本を支援するでしょう。私も何度も何度も提案してきたことですが、今こそ行動する時です。

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