ライフ

「夜中に目が覚めるなぁ」と悩む70代男性 忍び寄る認知症の影

「夜中に目が覚めることが多い」人は要注意(イラスト/河南好美)

「夜中に目が覚めることが多い」人は要注意(イラスト/河南好美)

 加齢とともに生じる「睡眠」にまつわる変化。つい“歳のせい”と片付けがちだが、深刻な健康リスクにつながる可能性もある。『週刊ポストGOLD 認知症と向き合う』より、睡眠と認知症の関係についての専門家の知見を紹介する。

 70代男性のAさんは最近になって、“眠りの質”が落ちていると感じるようになったという。

「夜中にトイレで目が覚めると、それ以降、何時間も眠れなくなるんです。起床時に爽快感もなくなりました。妻に相談しても、“70過ぎたら誰でもそうなるんじゃない。周りの友達からもよく聞く話よ”と言われるので、そんなものなのかなぁと思っているのですが……」

 近年、認知症と睡眠の関係について研究が進んでいる。Aさんが訴えるようなかたちで、睡眠の質が低下していると、認知症の進行を早めることがあるとわかってきた。鳥取大学医学部教授で認知症研究の第一人者である浦上克哉氏が解説する。

「特にアルツハイマー型の認知症と睡眠の質に関係があると明らかになってきています。原因物質として知られているタンパク質『アミロイドβ』は、日中の脳が活発な時間に分泌され、夜間の就寝中に脳から掃除(排出)されます。睡眠不足や睡眠の質が悪いと、アミロイドβが蓄積されて症状が悪化するのです」

 浦上氏は、睡眠時間の目安として「6~8時間を確保することを目標にしたい」とする。その上で、「睡眠の質」にこだわりたいと言う。

「夜中に何度も起きたり、すっきりした気分で起きられないなどの自覚があるなら、睡眠の質が低下していると考えられます。眠りの質に関係するホルモンに『メラトニン』がありますが、これは加齢とともに分泌量が少なくなります。メラトニンは日内リズムを整える役割があるので、分泌が滞ると昼夜のリズムが崩れて夜なかなか寝付けないなどの睡眠障害につながります」(浦上氏)

関連記事

トピックス

『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一
《どうなる“新宿DASH”》「春先から見かけない」「撮影の頻度が激減して…」国分太一の名物コーナーのロケ現場に起きていた“異変”【鉄腕DASHを降板】
NEWSポストセブン
混み合う通勤通学電車(イメージ)
《“前リュック論争”だけじゃない》ラッシュの電車内で本当に迷惑な人たち 扉付近で動かない「狛犬ポジション」、「肩や肘にかけたままのトートバッグ」
NEWSポストセブン
日本のエースとして君臨した“マエケン”こと前田健太投手(本人のインスタグラムより)
《途絶えたSNS更新》前田健太投手、元女子アナ妻が緊急渡米の目的「カラオケやラーメン…日本での生活を満喫」から一転 32枚の大量写真に込められた意味
NEWSポストセブン
リフォームが本当に必要なのか戸惑っているうちに話を進めてはいけない(イメージ)
《急増》「見た目は好青年」のケースも リフォーム詐欺業者の悪質な手口と被害に遭わないための意外な撃退法 
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン
夫・井上康生の不倫報道から2年(左・HPより)
《柔道・井上康生の黒帯バスローブ不倫報道から2年》妻・東原亜希の選択した沈黙の「返し技」、夫は国際柔道連盟の新理事に就任の大出世
NEWSポストセブン
新潟で農業を学ことを宣言したローラ
《現地徹底取材》本名「佐藤えり」公開のローラが始めたニッポンの農業への“本気度”「黒のショートパンツをはいて、すごくスタイルが良くて」目撃した女性が証言
NEWSポストセブン
妻とは2015年に結婚した国分太一
《セクハラに該当する行為》TOKIO・国分太一、元テレビ局員の年下妻への“裏切り”「調子に乗るなと言ってくれる」存在
NEWSポストセブン
1985年春、ハワイにて。ファースト写真集撮影時
《突然の訃報に「我慢してください」》“芸能界の父”が明かした中山美穂さんの最期、「警察から帰された美穂との対面」と検死の結果
NEWSポストセブン
歴史学者の河西秀哉氏
【「愛子天皇」の誕生を希望】歴史学者・河西秀哉氏「悠仁さまに代替わりしてから議論しては手遅れだ」 皇位継承の安定を図るには“シンプルな制度”が必要
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「給料もらっているんだからさ〜」国分太一、若手スタッフが気遣った“良かれと思って”発言 副社長としては「即レス・フッ軽」で業界関係者から高評価
NEWSポストセブン
ブラジル訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《クッキーにケーキ、ゼリー菓子を…》佳子さま、ブラジル国内線のエコノミー席に居合わせた乗客が明かした機内での様子
NEWSポストセブン