年に数回は両国国技館で相撲観戦する市川紗椰

年に数回は両国国技館で相撲観戦する市川紗椰

【2】土俵の拡大

 幕内力士の平均体重は166.2kgで過去最高となりました(2018年末)。大型力士が増えたことで、直径15尺(4.55m)の土俵が狭くなり、その拡大が好角家の間で議論されています。実は戦後、16尺(4.84m)に拡大されましたが、1場所限りで戻って今日に至っている経緯があります。力士の体格が時代とともに変わるなかで、土俵も変えるか否かは今後も論点となりそうです。

●メリット
・大型力士が増えても早く勝敗が決まらず熱戦が多くなる。
・小兵力士が土俵を大きく使うことができるため勝率が上がる。
・攻守に持久力が求められるようになり稽古量が増える。
・押し出しや突き出しが減り土俵内で多彩な技が繰り出される。

●デメリット
・大型力士が一気に勝負をつける相撲が取りにくくなる。
・土俵際まで一気に押し込まれることがなく逆転技が減る。
・土俵が広がった時は決まり手に「はたき込み」が激増した。
・大相撲では土俵を作る呼出のマンパワー、その他の公式規格の土俵では費用がかかる。

【3】ビデオ判定の完全導入

 行司の判定に疑問があった時、土俵の下から物言いをつけるのが5人の審判委員です。勝負の判定は審判委員が行ないますが、それにはビデオ判定が用いられており、導入は1969年です(プロ野球は2010年から)。ただ導入自体は早いものの、かばい手(重なり合って倒れるとき、上になったほうが相手をかばうために先に手をつくこと。負けにならない)を認めないケースが出たり、死に体から無理な逆転技を仕掛けてケガが増えるなど、活用の弊害もあります。

●メリット
・大鵬対戸田戦(1969年)のような世紀の大誤審が回避できる。
・多方向からのスロービデオでより正確な判定ができる。
・審判は死に体、生き体の判断だけとなり職務が簡素化する。
・協議が長引かない。

●デメリット
・審判の必要性が問われる。
・館内にスクリーンを設置して観客に見せるべきだという意見が出る。
・先に落ちたか否かのビデオ優先で勝負の勢いが軽視されやすい。
・審判の目線とビデオの目線の違いが誤解を生む。

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