緑茶を飲むときはごぼうを避けよう(写真/GettyImages)
自炊するときはファストとスローの組み合わせはできるだけ避けた方がいい。とはいえ、忠実に実践するのは相当難しい。
澤田さんは、そんなときは、ファストでもスローでもない「ニュートラル」に分類される食材を一緒に食べるといいとアドバイスする。ニュートラルに属するのは、なす、油、酢、玉ねぎ、赤ワイン、紅茶やコーヒーなどがあげられる。
「ニュートラルの食品は一緒に食べたものの消化を速めるため、ファストとスローの組み合わせを中和します。例えばトマトを使ったパスタなら、オリーブオイルをパスタにたっぷり入れるだけでなく、一緒に食べるサラダやパンにもかけるといい。また、和食は両方同じ『スロー』に分類される『納豆ご飯』など、同じカテゴリー同士の組み合わせが多いため、積極的に取り入れるといい」
腸にいい食品が悪影響に
消化のスピードが同じでもその成分が理由で胃や腸に悪い影響を与える“NGコンビ”もある。白澤さんは消化不良を起こす代表的な組み合わせとして「寒天+卵」をあげる。
「寒天に含まれるガラクタンという食物繊維と、生の卵白が含有するたんぱく質であるアビシンはどちらも消化しづらく、相乗効果で、腸に負担がかかります。『豚肉+桃』の食べ合わせも避けた方がいい。豚肉には脂質が多いですが、桃の有機酸は脂肪の吸収を阻害するため、一緒に食べると胃もたれしやすい。朝と昼など、時間を少しずらして食べれば問題ありません」(白澤さん・以下同)
大豆やさつまいも、ごぼうなど胃腸にいいとされる食品でも、組み合わせ次第では悪影響を及ぼすケースがある。
「『大豆+さつまいも』は腸内環境を悪化させます。大豆もさつまいもも不溶性食物繊維が豊富ですが、便秘の改善には水溶性食物繊維も必要です。大豆やさつまいもを一緒に食べることで水溶性食物繊維が不足し、便秘になるケースが。
『ごぼう+緑茶』もできれば避けてほしい。ごぼうにも便秘を解消する不溶性食物繊維が含まれているが、緑茶が含むタンニンには腸の動きを鈍化させる働きがあり、食物繊維の効能を打ち消してしまうことがあります」
大豆とひじきの煮ものも、腸が弱っているときは避けた方がいい。大豆に含まれるサポニンには排便を促す効果があるが、食物繊維が豊富なひじきと一緒になると、相乗効果で腸が強く刺激され、腹痛を引き起こすことがあるのだ。
※女性セブン2021年3月25日号
